第10話

ぬいぐるみ⑤5


あとは「ぬいぐるみ遊び」をしてないぬいぐるみを少々。


姉が人参を持った、かわいらしい小ぶり(とは言えオーバーオールのポッケにはおさまらない大きさ)のうさぎのぬいぐるみを本棚に飾っていた。


それと、水族館の記念にとイルカのぬいぐるみを二匹買ってはしゃいでた過去の日。今はゴミ屋敷化してる(私の家もゴミ屋敷化してる(汗))が、昔は布団に乗せて幸せそうに眠っていたものだ。


私の先に書いた、ぬいぐるみ達は、家を留守にしている内に妹に断捨離されて、なにも残って無いが、あの頃可愛らしいイルカさんのぬいぐるみぐらいは残っていて欲しいと思う。綺麗に放置されてるから。私のビニールから出せずに、なおしている「アタシちゃん」のぬいぐるみの様に。

もう一個コレクション用に買って一個はビニールから出して、一緒にお布団さんしたかったな。



そうそう、令和だから呪詛を放ってはいけないのを前提に話すと。


妹が今、彼女の大切な家族を守る為に、「しりお」や「きぷたん」や「ぶたさん」や「ロペさん」をはじめとする抱き枕やクッションで、ぬいぐるみで、結界を作っている。


守るべきはオカメインコ30才越えのルチノーの白内障による全盲らしい。昔は(この平成最後の春)ソコに「あーこ」という十五才でこの世を去った九官鳥も、重要なメンバーとして君臨していた。大切なマブダチの「あーちゃん」いつか、ショートストーリーを、書いて公開するね。

私の粋な計らい(私は私とあーちゃんの二つとも大好きな題名のない音楽会を聞かせてあげた)に腹水が膨れて声すらだせなくなった、お布団の上に座って、体全体でぜーぜーふるわせていた「あーこ」歓喜をおぼえたからって、伝えなくてもしんどいのはわかってるから、リラックスしてくれれば、それで良かったのに、死物狂いの渾身の力を振り絞ってくれて、ごめんね。そしてありがとう。 彼女は「ブラボー」と伝えたくてたまらず、壊れるかの様に鳴いてくれた。悲しすぎて嬉しかったよ。ありがとう、あーこ。金木犀になって伸びすぎて、剪定をし、燃えるゴミに出されるまでは一緒だよ。一番近くでいるよ。覚えさせたくって、一緒に歌った「パフリカ」を聞くたびに、口ずさむたびに、あーこの事思っているよ。


だからまだ、あーこの大好きな「おかーしゃん」から「アイコ」を迎えに来ないで。私がパフリカと一緒に南無あーちゃんって、生きてるから。

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