第9話

ぬいぐるみ④


JCの頃、家庭科部で30体くらい、マスコットサイズのフェルト人形を作った。沢山作ったのだが、ファーストバッターのペンギンさんしか思い出せない。マスコット作りは型紙からオリジナルで作った。今の私では出来ない芸当が、若い子供の頃は「デキル」んだなぁと、持病やその副作用や老化現象で、こんなに使い物にならない今を受け止めるのが、哀しい。


脳内リハビリの為に、手芸や指先を巧みに動かす事が、壊されたり老化した人達の闘いかただと、知る年齢になってしまった。かなり悔しいし、哀しい。それとも、ある仏教の生け贄になるべく、選ばれるのは、幼い頃から、ちゃんと脳や精神を守る訓練をしてる「お利口さん」なのか?ならば母は私に謝らなくてはならないし、私も母に謝らなければならない。

陸上を選んでたら、左脳は白濁としてないのかもしれない。それに精神も穏やかなままだと想像できる。くそー※※と※※のクソブタたわけが。今は穏やかな私でも昔みたいに怒り狂うよ。


講談社の月刊なかよしのふろく「あおいちゃんパニック((c)竹本泉)」の卵をモチーフにした紙の箱の中、満タンになるくらい、細かいフェルトを器用に切り分けて、雑に縫っていた。そのマスコット全部の量は五百ミリリットルを越す。なのに覚えているのは、お初さんなペンギンさんだけなのだ。袋閉じ縫いしまくって、よく指先(神経のかたまるとこ)をブスブスと針で指したなとしか思い出せない。全キャラ私担当で、使い(演じ)分け出来てたのに。くそー

当時はJCだったので、一人っきりで浸りながら作る漫画「サレーリア・バートン」の話や「Dragon story」の話と両立出来てたのに、悔しいー

思い出したい。 以下ネタバレ。サラのオネー様を思う忠誠心に、アルフとダークナイトとの共同戦闘や、招かざる客(サラの姉ぎみの婚約者から依頼されて、婚約解消させる様に依頼を受けたくせに、正体をあかしたサラを庇う為に隻眼になるし、なのにサラが駆け落ちしてくれないという哀れな)の主役の新聞記者とサラの悲恋とか、シャラム・クーンとリ・ルカーナの引き裂かれる異種族の恋。そしてシャラムは再び、絶望を知る。なのに、リルのいない世界を破壊しない為に『dragon travel』を続けなければならない憤りや悲しみと平行して考えていたから、焼かれた脳のデーターベースは、同じ分だけ消えて壊れているのだなと悲しく思う。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る