第9話
「…少し本気を出そう」
カシックが吠えると部屋の温度が一気に上がる
「…あちぃ」
俺は額の汗を拭った
「これくらいでへばるなよ?」
そういうと一瞬にして目の前に突進してきた
「ぐっ」
その打撃を何とか杖で防ぐ
「やるじゃねえか」
その小さい体のどこにそんな力があるのだろう
考えている暇はない、今はこいつに勝つことだけ考えろ
「ふっ、いい面構えになってきたな」
彼はまだまだ余力を残しているようだ
「あぁそうかよ」
もう一度杖を構え今度は下から光の鎖を飛び出させ彼の体に巻き付けた
「…ぐっ」
「降参か?」
俺は近づき杖を彼に向けた、術を放てば確実に当たる距離だ
「あぁ、そうだな…俺はもう動けそうにねえからな。俺の負けだ」
「や、やった…」
「ひ弱そうな人間のくせに健闘したんじゃねえの?」
パリンっ
光の鎖が彼の腕力によって粉々に砕け散った
「…もしかしなくても自力で壊せたんじゃねえのか?」
「あぁそうだな。この反則技を使うのは負けだと思ったからな」
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