第7話
落ちた式神を拾い上げた俺は彼女の名前を呼び続ける
「ティナっ!?」
「安心しろ、意識が本体に戻っただけだろう。式神自体が燃えない限りは彼女も無事だ」
「燃えるって…」
「式神が燃えるっていうことは本体の命を削っているっていう意味だ。覚えておくといい。彼女の場合繊細だろうから気にかけてやれ」
ティナ本人とは一度も話したことないはずなのにどうして虚弱さを知っているのか?
「…アンタどこまで知って…」
「体質上虚弱なのは仕方ないことだろう?アナスタシアだってそうだったろうし」
「え?」
「あれ知らなかったか?あれは普段妹にすら隠していたが、虚弱なのはアルビノだからだぞ。」
どうやらアルビノが特異体質なのは影の巫女の子孫ということだけではないらしい
「…そんなはずは…」
ここへ来た時の獣人の言葉がここでつながる
あぁ、儀式をしたんだってな。寿命が縮まることをよく行えたもんだ
あれはそういう意味でもあったのか?
「よく考えてみろ、完璧だったはずのアナスタシアがいたとしたらなぜ死んだ?」
「アナスタシアは吸血鬼襲撃の事件の時に鬼神化したからじゃないのか?」
「そもそも、アナスタシアがアルビノではなく普通の王族だったなら鬼神化してもしなくても一人で事を済ませられただろうな。」
確かにあの過去の記憶ではティナを執務室に押し込んでクロードに応援を頼んだ。
カシックの言うように王族がそれだけの強さを持っていたなら鬼神化もする必要もなかったのかもしれない…
「彼女のようなアルビノは短命だからな。どの種族も例外はない」
「えっ?ティナが短命…ってどういうことだよ!」
「どうもこうもねえ、一緒にいたなら分かるだろう。」
慣れているからとはぐらかされてきたがもしかすると
「毒を盛られたり、襲撃を受けたりして慣れていると言っていたが…一歩間違えれば死ぬのか?」
「あぁ、彼女の境遇には同情するが、扱いを間違えればそれで死ぬからな」
「…何で言わねえんだ。」
「…帰ったら思いっきり叱るといいさ。外に出るぞ」
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