第6話

「…傷口を一旦私の体に移しただけよ。もう治っているだろうけど」

彼女の形をした式神は痛みを感じていないようだが


「また何でそんな無茶を」


「…私が婚約者の体に傷を残したくないだけのただのわがままよ」



「あのな…普通は逆だと思うが…」



「ふふっ、惚れ直してもいいんですよ」


カシックは咳払いをして二人の会話を中断させた


「そろそろ始めてくれないか?」



「あ、そうでしたね」



「すっかり忘れていただろう」


「影の祈りを捧げましょう…」


そう祈るとティナの神器である銀製の剣が出てきた




「光の祈りを捧げる」

ユノの神器の長杖も出てきた


「それがお前たちの神器か…」

神々しい神器を見たカシックが息をのんだ


「光と影に仕える12の星々よ我が願いと祈りを聞き届けたまえ。光の巫女ユノ後継者ユノ=クラウスと影の巫女後継者ティナ=テンペスタに星々の輝きを照らせ。我が願いはこの地に天の恵みと繁栄をもたらせ」


私は詠唱するのと同時に地面に術式を描いた


「ちょ…ティナっ!?」


描き終わるのと同時にガクっと私の体は崩れるようにその場に膝をついた



「…守護龍は、私たちの管轄外だからね…思ったより力吸われるみたい…後は頼んだよユノ…」

その言葉を機に式神は形が元に戻った









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