第4話
「その式神は筒抜けだからな」
「聞いてねえ…」
『とまぁ冗談はさておき。私のユノが泉の水を代わりに取りに行っているの、今は平気です?』
「あぁ、四龍騒ぎで泉が枯れかかったが何とか残っている」
「力勝負…と言いたいところだが、俺は別に渡してもいいと思っている…が他の連中はそうはいかないだろう…そこで、ここ数日降らなかった雨を呼べば分けてやる」
『なるほど…』
「雨を呼ぶっていったいどうすればいいんだ?」
『ユノには光の巫女の杖があります。それに力を注げばいい…場所は…カシック頼めますね?』
「あいよ、儀式用の神殿まで案内してやる。」
そういうとカシックはボートを指さしついて来いというように歩き出した
「…おっとこのボートは二人用だ。アナスタシアの従者はそこで待機だ」
「…しかし…」
「いい、クロードは外で変化がないか見張っててくれればいい」
「ついたぞ」
「ふぅ」
手漕ぎボートはユノが必然的に漕いでいたせいでついた島の陸にへばりつくように息を切らしていた
『ふふっ…』
式神からティナの聞こえたのは笑い声で
「な、何笑ってんだよ…ティナ…」
『だ、だって…ふふっ』
「…?あぁそうか…お前は妹の方だったのか…どうりで優しいわけだ」
「会ったことあったんじゃないのか?」
「俺が会ったのは姉妹で来ていたときでアナスタシアが主に挨拶していたからな。ティナのほうは言葉を交わすことすらしていない。人を信用していない部分に関しては似ていたがな」
そう、アナスタシア以外は全て敵だという認識は幼いころから変わっていない
言葉を交わさなかったのは…
「あの後アナスタシアと先代守護者のトーティが手合わせしたんだが…あれはすごかったな…その数年後アナスタシアが人間と婚約したって聞いて驚いたが…」
『えぇ…表向きはアナスタシアとユノが婚約…ということにはなっていますが、姉のアナスタシアは例の事件で亡くなりましたので』
「彼女の死後…何故アナスタシアと名乗っていたのだ?」
『この命はアナスタシアの為に使われるべきだと思っていたからです。自分の国を守るために死ぬべきだとずっと思ってきました』
「ティナ…」
『でもユノに出会って…私は私として見てくれて生きていくうちにお姉ちゃんが残したこの命を無駄にしたくないと思ったの』
「よかったな、ちゃんと居場所を見つけられて」
「えぇそうですね」
突然背後から現れたのは居るはずもないティナの姿だった
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