第3話

「ティナを救う為なら力比べくらいやってやる」


「…ふむ。ならば少し待っていろ。彼を呼んでくる」



「助かる」


そういうと獣人は一軒の家の中に入っていった

「…ユノ王子力比べって自信あるのですか?」


「…正直ないな。剣しか握ってこなかったから力勝負になったら勝てるかどうか」



「カシック=アドミラだ。守護者をしてる」

「ユノ=クラウスです初めまして…」

ごつい大男が出てくるかと思えば小さい…

「今小さいと思っただろ」


「い、いえそんなことは」



『その方がイースト諸島の守護者ですね』


「その声は…アナスタシアか?久しぶりだな」



「式神の声が聞こえるのか?」


「…何を言っている?その声が聞こえるのは東西南北それぞれが役割を果たしているからだ。そんなことも知らないのか」


「役割…?そういえば紫龍がいたって聞いたけど」


「光と影の巫女の後継者が鎮める役割があるのが四龍だとすれば東西の守護者の役割はそれぞれの守護龍である天竜と地竜によって守られてきたこの土地を守ること。ここは地竜である紫龍がいた土地だ」




なんだか話が壮大になってきた


「その式神は緊急用だろう?だから聞こえるのは守護者と巫女のみだ」

『ふふっ察しがいいですね』

「あぁそれで私には聞こえなかったのですね」


クロードも知らなかったようでカシックが深いため息をついた


「…あのな。アナスタシアよ…前にも言ったと思うが、もっと人を信じろよ」


それは俺も同意だ。

ティナ…信用してくれてもいいと思うぞ


『そんなことよりも、以前お会いしたトーティはどこにいるの?』



「すまんな。会わせることはできない。アナスタシアと手合わせした守護者はもう死んだ」


前にアナスタシアが守護者と手合わせした?



『…そう…落ち着いたら墓参りさせてちょうだい』


ティナは少し残念そうな声で答えた




「そうしてくれ親方も喜ぶだろうさ…あぁそういえば泉の水だったな?」



『えぇ、ユノが頑張って力比べしてくれるらしいから』

話が戻るとティナがいつものからかう口調に戻ったようだ

「聞いてたのかよ…」






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