プロローグ4


「くそっ…どうすればいいんだ」


『光の巫女よ、東と西の泉を目指しなさい』


「…フィトリーゼ様…?一体どういうことなのです」



『彼女は今死の淵に立っています。それは龍達から受けた呪いで間違いありません。龍達が封印されてなお彼女に残った紋章は消えず、それどころか儀式によって進行が早まってしまったことになります」





「そ、そんなことアナは一言も」




確かに封印できるとは言っていただが呪いが消えるとは一言も言っていない



たとえ封印で来たところで呪いが治るわけではない事を知っていたのだろう




『その泉の水を持ち帰り、調合し彼女に飲ませなさい』


「そうすれば呪いは…目を覚ますのか?」

そう尋ねるとフィトリーゼは静かにうなずいた


『…ユノよ。アナを…いえティナをよろしくお願いしますね』



そう今はアナスタシアではない。もう偽る必要のないティナである


「…ティナ」




「ユノ王子、ひとまず城へ運びましょう。」



「あぁ」




「ようやく帰ってきたかと思えばお前の婚約者は昏睡状態か?ざまあねえな」



レイス王子がこちらをあざ笑っていた



「あぁそうだな。自分の無力さに腹が立つよ」



「…?まぁいい。これで陛下もこんな異国の娘と婚約したユノが王だと認めぬだろうな」





「…ユノ王子」




「分かってるさ。そんなことくらい」




「ここはザクに任せる。姫様の護衛をよろしく頼む」



「あ、あぁお嬢さんは俺がしっかり守る」




「頼むぞ」



「さて、先にイースト諸島にいきましょう」



クロードが自身の騎獣を使う

「あぁ」




「…行ってらっしゃい」

弱弱しく聞こえてきたのは昏睡状態のティナだった

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