プロローグ3
ユノ王子の肩に私の体が傾く
「おいっ…」
「…」
「おい?寝るなら、俺の隣じゃなくて…アナ?…しっかりしろ!?」
アナの様子がおかしいことにようやく気付いたユノは向かいの椅子に横にさせた
「冷たい…何で…」
「クロード!アナの様子がおかしい!あとどれくらいで城につく!?」
俺は前方で馬を引いているクロードに向かって叫んだ
「…すみません。後一時間程ご辛抱ください」
その慌てた様子に気づいたのかクロードは静かにそう告げた
しかし言葉と裏腹に更に馬車のスピードが速まるのが分かる
「死なせない…俺がお前を…」
ユノが光に祈るとわずかに体温が戻る
だが祈りを止めれば体温が下がることは意識が戻らないアナを見て明白だった
「…」
一時間も経たずに城へ到着すると馬車の中にクロードが入ってきた
「お待たせいたしました。すぐに処置いたします。ユノ王子はそのまま祈り続けてください」
アナの服を少し脱がせると紋章が広がりつつあった
「…これは…呪いの類…」
クロードが沈静剤の入った薬を注射器で注入する
「これは一時的な治療に過ぎないものです…大元をどうにかしなければ」
「…どうして…龍達は封印したはずだ。呪いも消えたんじゃないのか」
そうつぶやいたとき先ほどのアナとのやり取りを思い出した
もしかして、アナは呪いは消えていないことを知っていて焦っていた?
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