最終話

...海沿いの倉庫...



指定された場所につくともう一台の黒いワゴン車が止まっていた。



倉庫の扉を開き、中に入り奥へ向かうとそこには冴島がいた。




冴島が俺の方をみてこう言った。



「やぁ、約束通り一人で来たね」


「あぁ、約束通り一人だ。で、何の用だ?」


そう尋ねると冴島が笑いながら答えた。



「もちろん君と殺しあうためにだよ。」


そう手に隠し持っていたナイフで攻撃を仕掛けてきた。



それをよけながら腰につけていたホルスターから捕食者を取りだしたが標準を合わせようとするが冴島の動きが速すぎて狙いが定まらない。


そうしているうちに冴島がナイフで複数の場所を同時に刺そうとしている。


それを避けつつ次の手をひたすら探していると倉庫内に消火器があるのを見て懐から拳銃を取り出し、消火器に一発の銃弾を放った。

放った一発の銃弾が消火器を突き抜けその中から大量の粉末が漏れたと同時に視界がその粉末でさえぎられていった。


「何だこの煙のようなものは?」



冴島が目をつむっているうちに捕食者で相手の数値を図ったが0だったと同時に目を疑った。



とにかくその場から離れることに専念するしかないと思ったが冴島をここで倒すしかないとも思い迷っていた。


そうしていると冴島が手を掴みやっと捕まえたと言い右手にナイフを刺した。

ナイフを刺された右手から大量に血があふれ出る。


手を掴まれたままの態勢で左足で相手の右(浅岡から見て)を蹴りあげた。



すると、冴島は蹴った衝撃でふっ飛んだと同時に冴島の腹部辺りに鉄パイプのようなものが冴島に突き刺さる。



そのすきに倉庫の荷物の後ろに隠れ偶々、ポケットの中にあった布で右手をきつく縛った。



荷物から少しだけ顔を出すとそこには一時的に気絶している様に見える冴島のすがたがあったが何やら様子がおかしい。



少しずつ近づこうと考えていた時、奴の笑い声が倉庫内を響き渡った。



「やるじゃないか?浅岡洋一。いや、まいったよ僕の負けだ。さぁ君の手で僕を殺してくれ~」


そう言い、俺がいる方向へと足を運ばせている。ポタポタと水が地面に落ちるような音が聞こえる。たぶん血だろう。



そう思い、隠れていた場所を思い切り出て冴島に近付いた。



冴島の目を見ると俺がどこにいるのかもわからないくらい目が見えていない様に見えた。


「お前その目...」


冴島は苦しそうに腹部を抑えながら俺がいる方を向いてこう言った。



「君に負けた僕から最期に君に伝えないといけないことがある。君たちが探している人物は君たちの組織にいる...」


そう言うと口から血を吐きだした。


「もう、いいしゃべるな」



冴島が俺の顔に両手で手を当ててこう言った。



「君ならきっとこの世界の真相にたどり着けるはずさ。後は頼むよ...あさおか...」


そう言い残し天井にさす月明かりが照らしだしたときどこからか懐かしいぬくもりを感じた。そのぬくもりは赤ん坊のころに感じた母親のぬくもり...


その女性らしき存在が見えたと同時に手を天井に向けてさしのばしながら息絶えた。



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ゼロリバース外伝(隻眼の奏者) 星空夜桜 @hoshizorayozakura

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