第3話 プロ野球選手

隣りの区画に目をやると大きな男がいる

聞くとDィNAベヒスターズの選手らしい


確かに見たことがある

ヒーローインタビューでやる気無さそうにしゃべっていた男

足が速く、長打力もあるが波のある…誰だっけ


偏見だが、ベヒスターズの選手は見た感じガラの悪い選手が多い

なぜか?

数年前までぶっちぎりの最下位だったころにグレてしまった選手が多いからだ

本当に弱かった

阪神タイガースの暗黒期を彷彿させる負けっぷりを続けていたから…

それで選手たちは荒れてしまったのかもしれない


なのでベヒスターズと聞いて、少し緊張が走った

もめごとだけは起こさないでくれよ…

心配しながら眺めていたが、彼は不思議と暴れたりはしなかった


理由は語らなかったからわからない

でもおれはこうじゃないかと思う


普段から野球が好きじゃなく、嫌々やっていたから、

野球から離れたこの環境は案外うれしいんじゃないかと。

そりゃそうだ、毎日野球やってるんだ、嫌になるさ


仕事なんて憂鬱なもの

きっとそういうことなんだろう

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る