第2話 土地配分

一人当たりだいたい1㎡で配分された富士山

おれは、ラッキーなことに多めに1.2㎡与えられた

正直ありがたいと思った


が、与えられた土地を見ると

ちょうど真ん中を崖で隔てられているクソ立地だった


崖はかなり高く100メートルくらいはある

これは上か下、どちらで過ごすしかない


おれは上半分で暮らすことに決めた

見晴らしがよかったからだ

一日中体育座りして、はるか崖下にある自分のもう一方の土地を眺めて過ごした

これはこれで楽しい


しかしやっぱり0.6㎡は狭い

寝るときくらいは体を伸ばしたいが

狭小スペースでは望むべくもない

諦めて過ごしていたのだが、名案を思い付く



あ、そうだ

こうすれば体を伸ばして寝れるのではないか?


いや、でもこんな単純な…?

いや、でもそうだよな?いけるよな


とりあえず崖があるので、上下には広い

体を縦にして、崖を背中にして寝れば、体を伸ばして寝れる


よく思いついたな、おれは天才か


でも体をどう固定するんだ?

テープ?そんなものはない

いっそ岩肌を掘って洞穴のようにするのはどうだ?


しかし掘った部分の敷地はおれのものなのか?

この0.6㎡下ではおれのものか?


もしおれのものになったとしても、他の人が嫉妬するのでは?

そいつがおれの洞穴からさらに掘り進めたら、ただの通り道になってしまう


うーん、やっぱり無理か

だいたいおれは何か自分で生み出せるような奴じゃない


クソで陰気な”いも虫”、光など似合わない

でも、いも虫だったら洞穴が似合うな、ふふ・・・


まぁでもやらないけどな・・・



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