第13話 雨時々死体

「ネェ、見ない顔だねぇ?

 うっわ、カっワイッ! ちょ~カワイくね!?

 君みたいにカワイイ子見た事ないよぉ♪

 ひょっとして都は初めてぇ?

 初めてだよねぇ?

 だって君みたいにカワイイ子見たことないも~ん♪

 よかったら案内しよっかぁ?

 僕、この辺くえsしいんだぁ~。

 おいしいお店とか行ってみない?

 そう言えば今日は何処どこへ泊まるの?

 行先決まってる?

 決まってないならさぁ~僕の知ってる宿紹介しよっかぁ?」


 桃太郎かぐやひめ知らぬ初対面の男にとみにいきなり親し気になれなれしく話しかけられ惑ひける困惑しました


「え!? な、何ですかいきなり?」


「もちろん親切で声かけてんじゃ~ん?

 君一人でしょ~?

 こんな時間に女の子の一人歩きは危ないよぉ?

 女の子がさぁ、初めての慣れない都会で一人なんてさぁ……悪い男に騙されちゃったりしたらさぁ~悲しいじゃ~ん?

 あ、僕!? 僕全然大丈夫よぉ~? 平気平気♪

 僕ゼンゼン危なくないから♪

 でどう!? ちょうど今から知ってる店が開く時間なんだぁ~♪」


「いえ、結構です!」


 桃太郎かぐやひめ男振り切るべく男を振り切ろうと速足歩みそめける歩き始めましたされどですが男は思ひ絶えであきらめずに桃太郎かぐやひめ合はせて合わせて速足歩みて歩いてつき来たりついて来ました


「結構ってことは良いってことだよねぇ!?

 やったぁ! チョー嬉しっ♪ マジサイコー!

 で、店だけどぉ何食べた~い?」


「結構ってことは要らないってことです!

 やめてください。付いてこないでください。話しかけないで下さい」


「や~だなぁ~もぉ~、つれなくな~い?

 せっかく親切にしてあげてんだからさぁ、もっと優しくしてほしいなぁ~

 そうだ! 今日どこに泊まるのぉ? もう決まってる?

 決まってないなら僕の知ってる宿にしようよ!

 それともお金ないなら僕の家にする~ぅ?」


 桃太郎かぐやひめは立ち止まりて止まってをば睨め付けにらみつけて宣ひける言いました


「私は赤井あかい御門守もんどのかみ様の使いで検非違使けびいし様を訪ねてまいるところです!」


 下人はそれ聞きてそれを聞いて驚き、たじろぎける後ずさりしました


「検非…違使…!?」


「そうです!

 あんまりしつこいと、アナタを捕まえて突き出しますよ!?」


 桃太郎かぐやひめけしき態度大きに大きくし、胸張りて胸を張って宣ひければ言い放つと、下人はわが身の危ふきヤベー悟りて思って桃太郎かぐやひめ誘ふナンパするの思ひ絶えける断念しました

 すと、二人のやがて近くにドスンといふいう大いなる音し大きな多がして何か投げ落とされけりました。二人は足元に落ちこし物見て落ちてきた物を見て驚き、悲鳴を上げけりました


「「うぎゃーーーーっ!!!???」」


それは腐りはてしはてた人の骸なりける死体でした

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