ピグモンVSキングヒドラ
「はい!カットー!」
分厚いピグモンのスーツを通り越して監督の声は響く。
交友怪獣ピグモンVSキングヒドラ
余りに馬鹿馬鹿しくテーマが定まらない特別回。
これは行けるとご満悦の監督。
本当に馬鹿みたいな会議だった。
年末まで残り一ヶ月を切った。
大人5人で密となる会議室は監督を始めとした重役達が頭を抱えていた。
年末の特別回。方向性が定まらず、会議室の空気は砂糖水を煮詰めてキャラメルに変わろうとしていた。
「ピグモンVSキングヒドラだ!彼奴等仲悪いしな!ガハハハ!」
伝ってきた話では監督の鶴の一声だったらしい。
ビルをなぎ倒し線路を踏みつけるキングヒドラ。
力及ぼすとも身を挺して止めるピグモン。
殴られたし蹴られたし、ヒドラの奴、俺の事をそんなに嫌っているのか。
ピグモンの頭を取って冷気に触れる。
汗まみれの体には毒だが最高に気持ちいい。
ヒドラも頭を取っていた。
「痛えじゃねえか。ピグモンを本気で蹴るんじゃねえよ」
ヒドラは澄ました顔で応えた。
「俺はピグモンやりたかったんだよ。お前が羨ましいよ」
「俺も暴れ回るヒドラやりたかったわ」
「なんだ」
「俺たち」
「「気が合うな!!」」
その日の打ち上げは最高に盛り上がった。
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