第2話
授業後。
僕は窓の外を眺めいた。
空が奇麗だ。
すると、1人の女子が声をかけてきた。
「森山くん、どうしたの?何だか、つらそうだけど・・・」
この女子は、河内さん?
確か彼女は、高校卒業後すぐに・・・
いや、やめておこう。
「何かあったら、話して見て」
河内さんは、心配そうに僕の顔を覗く。
「少し嫌な夢をね・・・」
「どんな夢?」
「今から、10年後に世界が崩壊する夢・・・」
河内さんは、きょとんとしている。
「他にはどうだった?」
「元号が、平成から令和になっていた」
何だろう?
夢なのに、とても鮮明に覚えている。
まるで、タイムスリップしたかのようだ。
「世界が崩壊って・・・。覚えてる?」
河内さんの問いに、僕は詳しく答えた。
どうせ夢だろう。
「でも、本当にそうなったら、怖いね」
「ああ。アガサ・クリスティの、『そしてだれも、いなくなった』になるね・・・」
他のクラスメイトたちは、談笑している。
まあ、それが間違いなく高校時代だと、認識させる。
河内愛美
高校時代に、ある意味で学園のアイドル的な存在だった。
だけど彼女は、あまり体が丈夫ではなく、それが原因で・・・
正夢にならないことを祈ろう。
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