時空の中で

勝利だギューちゃん

第1話

20××年5月24日。

僕の誕生日。


昨年までなら、お祝いをしていた。


でも・・・

今年は違う。


崩壊した世界。


人が起こした愚かな行いにより、地球は壊滅した。

神の怒りにふれて、たくさんの生物が絶滅した。


しかし、僕は生き残った。

行き残されたというべきか・・・


コンクリートジャングルだった都会は、ジャングルとなった。


でも、他の動物も殆ど死に絶えている。


なので、たまに見かけると、嬉しくなるが、命ある限りは生きなくてはならない。

そのためには、他の生物を犠牲にしなくてはならない。


でも、それにも限界がある。


当たり前だが、食べればなくなる。

無限ではなく、底を付く。


そして、最後には自分も・・・


どうしてこうなったのか?

いっそのこと、地球自体を奇麗にすれば、こんな想いもしなくてすんだ。


でも、悔やんでも仕方ない。

命ある限りは、生きよう。


僕は、歩き続けた。

ひたすらに・・・


そして・・・


ついにつから付き倒れた。


向こうに、虎がいる。

そうか・・・

数少ない虎の生き残りか・・・


僕は、彼に食われるのか・・・

もう、それでいいや・・・


そして、眼を閉じた・・・


・・・起きろ


グーグー


「起きろ!森山」


えっ?ここは・・・


教室?


「森山、授業中に寝るなと何度言えばわかる」


懐かしい、教師の顔がそこにあった。

周りのクラスメイト達も、笑っている。


そうか・・・

僕は、夢を見てたのか・・・


でも、恐ろしい夢だった。


「先生」

「どうした?森山」

「今日は、何月何日ですか?」


周りは笑う。


「いい加減に眼を覚ませ。平成○○年5月24日だ」


あっ、僕の18歳の誕生日だ。

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