第5話 冒険者ギルド

「で、どうしようかなー?」


 今はどこに行くべきか考えていた。あのおじさんが初心者の森に行くべきと言っていたからそこには行く予定なんだけど、さすがに初心者用のナイフだけでいくのはちょっと……。


 でも、買い物をできるほどお金も持ってないし……。


「そうだ、冒険者ギルドに行くか。そうすれば、お金とか稼げるし。」


 そして、僕は冒険者ギルドの方へ向かった。


「おぉ!」


 この世界のいろんなところを見ているけれど、全然飽きることがない。寧ろ、嬉しさとかそういう気持ちが増しているような気がする。


 冒険者ギルドの中は、すごいきれいに整っていた。例えるとしたら、銀行?なのかな?


「いらっしゃいませ。」


「あっ……どっ、どうも。」


 窓口てきなところがいくつもあって、どこに行けばいいのか迷っていると従業員であろう人が話しかけてきた。


 その人は、20代くらいの女性で、制服を着ていた。制服といっても、学校の制服とかそんなのじゃなくて会社の制服だ。


「どんな御用ですか?冒険者登録であるなら、窓口の1番にお並びください。依頼の相談であるなら、窓口の2番にお並びくださ………」


「あっ、冒険者登録です。」


「では、1番へどうぞ。」


「ありがとうございます。」


「どういたしまして。良き冒険者ライフを。」


 そして、僕は冒険者登録の列に並んだ。まだこのゲームが開発されて1ヶ月もたっていないことから並んでいる人が多い。


 これだと、時間がかかりそうだ。


 そして、とりあえず留まっていても何もいいことなんてないし、並ぶことにした。結構面倒くさいけど、それでもこの景色を見ていると嫌な気持ちなんてなくなるし。


「ど、どうも。」


「ど、どうも。」


 僕は、勇気を出して前の人に話しかけてみることにした。恥ずかしかったけど、あの人のおかげで勇気を持てていた。


 僕が話しかけたのは、僕と同じ感じの部類の人。いわゆる陰キャラであり、ボッチな感じ。本当にそうなのかは分からないけどね。まぁ、そんな感じの女性だ。


 ネカマじゃないかと言う人もいるだろうが、それは心配ない。性別を変えたりすることなんて脳にいろんな影響を及ぼすらしくて不可能だから。


「このゲームをいつ始めたんですか?」


「えーっと、3日前くらいですね。あなたは?」


「実は、今日なんです。」


「おぉ、おめでとうございます。ワクワクしますよね。」


「はい、すごい画像がきれいで。」


 その後も、いろんな話をしていた。このゲームの楽しいところ。ワクワクしたところ。でも、現実世界のことについては聞かない。プライバシーってものがあるからね。


「じゃあ、ハルさん。せっかくだしパーティ登録をしませんか?あっ、ずぅっと一緒に行動するわけじゃないんですよ?ソロじゃ不可能なこともあると思うので、互いに助け合おうということで。」


「そう……ですね。それはいいですね。登録しましょう。」


 そして、登録させてもらった。始めてのパーティだ。一緒に行動することはあんまりなさそうとはいえ、パーティができたことに嬉しさを感じていた。



 そんなことを考えていると、いつの間にか僕の番になっていたみたいだ。「次の人ー!」と従業員に呼ばれていた。


「あっ、すみません。」


「いいですよ。それで、まずは冒険者登録をするために、この空欄のところに必要事項を記入してください。」


「はい、わかりました。」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

冒険者登録 必要事項 記入用紙

名前『 』

職業『 』

スキル『 』

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 おっ、これだけでいいのか。って、スキル何を選んでたっけ?忘れちゃった……。


「あのー……スキルのところを忘れてしまったのですけど。」


「それなら、《ステータス》と言ってください。すると、自分だけに見える透明な画面が出てきますよ。」


「………あっ。」


 そうだった……。今までなんども見ていたのに忘れてた……。このワクワクによっていろいろと知識が抜けてたよ。


「《ステータス》」


名前 ハル

職業Lv1

生命力5

筋力2

防御力2

俊敏性10

器用10

魔力2

スキル

隠密Lv1仕掛け解除Lv1駆け足Lv1鑑定Lv1聞き耳Lv1望遠Lv1


 そして、ステータス画面を見ながら必要事項を記入していく。そして、すべてを書き終わると従業員に渡した。


「はい、これで。」


「どうも。……………はい、ちゃんと必要事項を書けていますね。それでは、登録してきますので、少しお待ちください。」


 すると、従業員は奥の方へ行った。そして、一分ほどがたったときに戻ってきた。


「登録が完了しました。これが、冒険者カードです。無くさないようにしてください。」


「はい、わかりました。」

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