第2話 チュートリアル1

「……おぉ!」


 僕は、どこか知らないところにいた。なんか、真っ白な世界。でも、バグとか不具合ではないことを知っている。


 前に動画で誰かが言っていたのを覚えていたから、知っていたからね。


 ヒュン……


『ファンタスティックワールドオンラインへようこそ。ただいまより、チュートリアルを開始します。』


 僕の前に突然女性が現れたかと思うと、そう言ってきた。



『まず、このゲームの設定から説明します。このゲームは世界で初めて開発されたVRMMOです。このゲームはみなさんに異世界というものを体験するためにつくられました。この世界には、モンスター、冒険者ギルドなどの生き物や建物も存在しています。』


 うんうん!そこは知っているよ。これも誰かが動画投稿をしていて、それをみて知ったからね。でも、すごいわくわくする。実際にやるのは見るのとは違うんだね。


『まず、あなたの名前を教えてください。』


うーん……僕の名前は遥斗だから……


「ハルです。」


『分かりました。登録します。…………しました。よろしくお願いいたします。ハル様。』


よろしく!名前聞かれたときにハルってきちんと言えるかな?たまに本名をいってしまいそうになるかもしれないけど……頑張るか。


『まずは、職業について説明しようと思います。職業には種類があります。主に3つで戦闘系職業、生産系職業、特殊系職業に分けられます。戦闘系職業は戦闘時に役立つようなスキルを。生産系職業は生産時に役立つようなスキルを。特殊系職業はそのどちらかに当てはまらない職業のことを指します。』


 うん、なるほど。戦いたいって言う人は戦闘系職業、なにかを作ってたのしみたいって言う人は生産系職業……って感じなのかな?特殊系職業はよく分からないね。


『職業を設定したいと思います。ハル様はどの系の職業をご希望ですか?』


 うーん、生産系とか特殊系っていうのもいいんだけど、やっぱり僕は冒険とか戦いとかを楽しんでみたいから。


「戦闘系職業で。」


『分かりました。戦闘系職業を収集します……………………完了。しました。それでは、いずれかの中から職業を選んでください。』


 はーい。えーっと、この中からか。どこかで聞いたけど、職業とかは変えられないらしいから、きちんと考えないとね。


・戦士

力が強くなる。戦闘術などを獲得する。


・剣士

力が強くなる。剣術などを獲得する。


・弓士

俊敏性が増加する。弓術などを獲得する。


・騎士

力と耐久が少しずつ増加する。乗馬術などを獲得する。


・防御士

耐久が大幅に増加するが、俊敏性は低下する。防御術などを獲得する。


・回避士

俊敏性が大幅に増加するが、力が低下する。回避術などを獲得する。


・盗賊

俊敏性と器用が増加する。隠密術などを獲得する。


・空手家

力が大幅に増加するが、俊敏性が低下する。空手道などを獲得する。


・柔道家

空手家と同じく力が大幅に増加するが、俊敏性が低下する。柔道などを獲得する。


・武闘家

空手家や柔道家と同じく力が増加するが、俊敏性が低下する。闘気などを獲得する。


 全部で10……か。どれがいいんだろうな?むやみに考える訳にはいかないもんな。


 まず、必要ないと思う職業は抜いていくとするか。まず、騎士はいらないよな。乗馬術とかほとんど役にたつことが無さそうだし。


 それに、空手家や柔道家、武闘家もいらなそうだよね。僕は、ファンタジーを楽しみたいんだから、そういうリアルっぽい職業は選びたくないんだよね。なんか偏見な気もするけどね。


 そして、回避士と防御士もいらないよね。回避士はただ避けるだけでなんの意味もないし、防御士はソロでしようと思っている僕には合わないからね。


 となると、残りの選択肢はこれくらいか。


・戦士

・剣士

・弓士

・盗賊 


 うーん、戦士ってどちらかというと素手で戦ったりする気がするんだよねー。この世界では、もうちょっとファンタジー世界を楽しみたいからこれは抜こう。


 ……それで、盗賊ってよく分からないんだけどどういうものなんだろう?


「すみません、盗賊ってどんな職業なのか教えてもらってもいいですか?」


『はい。もちろんです。盗賊とはスピード、器用特化の職業です。また、盗賊とは現実世界で言うような職業とは違って、例えばこの異世界にあるダンジョンのトラップ解除や相手を引きつける……そんな役割を持った小回りのきく職業です。』 


「へぇー。」


 自分は攻撃あんまりあたりたくないから、これいいかもね。他にも、トラップ解除できるとあとあと役立ちそうだし。


 よしっ、これにしよう。


「………盗賊でお願い。」


『分かりました。登録します………………完了。登録が終了いたしました。次に、スキルについて説明したいと思います。』


 次は、スキルだ。

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