第4話

「その、あの、君は魔王なのか?そもそも」

「えぇ、まぁ、はい。そうなんです。正確に言えば摂政というやつなんですが、事実上魔王ですし、皆から魔王と呼ばれています」

「魔王の摂政」

「えぇ、あ、関係としては魔王の息子になります。よろしくお願いします」

「あ、これは、ってなぁ、おい、なんでこうなる。勇者を召喚するんだろ。魔王の身内じゃねぇか」


 王様も現状認識ができないまま、思いついた疑問を魔法使いにぶつける。


「いやあの、今回利用した魔法は、正確には「魔王を倒せる物」を召喚するんです。人であれ獣であれ異世界人であれ。勇者というのは俗な呼び方でして」

「誰を呼ぶとかどんな人を呼ぶとかそんな指定できないのか」

「できません。古臭い魔法ですから」


 そんな計画だから凍結されたのだ。と、そんな魔法を使う計画が一度でも承諾されるとかどうなってるんだ、の二つが王様の頭の中を駆け巡る。


「まぁあの、その、魔王の息子であれば確かに魔王を倒す実力があってもおかしくはないので、こういう事態が起きたのかと」

「どうするんだよ。外国の高官誘拐したことになったぞ。おい」

「その、どうしますか?」


どうもこうも。


「お茶でも飲むか?」


と王様は言った。

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