第2話 変わらない日常

霊感が身についたその日から、これといって、霊が見えるだとか、声が聞こえるだとか、そんな事は、一切起こりませんでした。ただひとつ言えるのは、虫の知らせ、とでも言いましょうか、勘が働くようになりました。それ以外は至って、普通の日常で、何の変わりもなく、とくに感じることも無く、日々が過ぎていきました。時々、直感が働いて、難を逃れるといったことがある程度。人は、大切な人や身近な人を亡くすと、霊感が出るようになると、言われています。私の場合は、1人目が母方のおじいちゃんでした。けれど、実は、もうひとつ、霊感がついていたかもしれない、そんな出来事もありました。それは、私が母のお腹の中に居た時に、遡ります。母は、ある教会に入っており、信者と言えば信者ではありましたが、特段、よく聞くヤバいようなものではなく、普通に、決まった時間に家で、ある方角を向いて正座をし、手を合わせて、心の中でお祈りをしているだけでした。ちょうど、私がお腹にいたころに、その教会を、近所の方から教えられ、家庭がかなり荒れていたので、入会をし、お祈りをしていました。そのころ、胎盤剝離という状態になり

母子共に危険な状態だったのだそうです。自身が死ぬ寸前になる体験をしても、霊感が出るようになるのだそう。きっと、もともと、私は、そのころから霊感があったのかもしれません。そして、時が経ち、結婚をし、子供を産んで、姑のいびりと、元旦那の自己中心主義に耐えられず、離婚。実家に戻り数年して、親戚のおばさんが亡くなった事から、”それ”は始まっていくのです。

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