私の霊感のち体験

レイ

第1話 始まりの涙

私が、中学1年生だった頃の事です。


当時、私は、クラスのある男子から、言葉のいじめを受け、登校拒否になりました。全てが嫌いになり、何もかも受け入れる事が出来ず、そんな中でも、たった1人、大好きな母方のおじいちゃんがいましたが、アルツハイマーになり、もう、自分の事も、周りの事もわからなくなり、徘徊するようになっていたほどです。おじいちゃんは、毎年、お祭りがあると連れて行ってくれ、欲しいおもちゃを買ってくれたり、幼少期には、母の実家がさくらんぼ農家をしていたため、よく私の相手をして、遊んでくれたりして、とても優しくて、私の味方をしてくれる、本当に大好きなおじいちゃんでした。小学3年の秋近く、お祭りがあり、その日雨が上がったばかりで、当時流行っていた、ガラスの靴のように見える、ラメの入ったキラキラしたビニールを網目状に編んだ靴を、親に買ってもらい、それを履いて、おじいちゃんとお祭りに行くと言い、聞かなかった私を、今まで一度も怒った事のないおじいちゃんが、初めて、私を怒り、『そんな靴で行ったら泥にぬかって、靴や足が泥だらけになるから、ダメだ!』と言って、連れて行ってもらえず、それが、まともなおじいちゃんを見た最後でした。その年の終わり頃だったでしょうか、おじいちゃんはアルツハイマーになったのでした。

何年と、その状態が続き、冒頭の、私が中学1年生の冬でした。ある朝、目が覚めると、目を開けた途端、涙が溢れ落ちました。どうして、泣きながら目が覚めたのか、全くわからず、不思議な感じでその日を過ごし、夕方、一本の電話がかかってきました。母が出て、しばらくすると、私の部屋に来て、『おじいちゃんが、亡くなったって』と。きっと、おじいちゃんは、私のところに挨拶に来たのでしょう。もしかしたら、あの時の、怒った事を謝りに来て、夢の中で謝っていたのかもしれません。そして、私の誕生日に、おじいちゃんのお葬式となり、その日から、私は、霊感がつくようになりました。

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