第28話
「リーネオ王太子、久方ぶりだ。今回は
いよいよゴルジョケアの軍隊と戦う前の日、軍議が開かれる前にプロージアのマヴィン王が
「おお到着したか、マヴィン卿! 【
リーネオさんが挨拶を返すとマヴィン王も手を挙げて応えた。後ろに居るヴァイムさんも会釈する。小さくて可愛いなあ。前は
「お二人とも、お元気でしたか? 今度は味方同士で良かったです。一緒に頑張りましょうね。」
私も二人の目を見ながら挨拶した。マヴィン王はとても優しそうな笑顔で
「申し訳ない。ヴァイムは少々人見知りなところがありましてな。これでも今日はリン殿にお会い出来ると喜んでおったのですよ。これ
「プ、プロージアの【
何か、お父さんと娘みたいだ。ヴァイムさんは上目遣いで私の目を見上げながら挨拶してきた。ホント、小動物みたいだ。もう心の中ではヴァイムちゃんって呼ぼうっと。私がそんなことを考えていたらテントの入り口から誰か入って来たよ。一緒に私と同い年くらいの金髪の女の子を連れてる。
「おう皆様方、
「あ、お兄様! 遅いですよ、皆さんをお待たせしては失礼です。」
「
なんか「元気の塊」みたいな男の人が入って来た。背はあんまり高くない。ペルクーリと同じくらいだ。けど自信に満ち満ちた立ち居振る舞いをしていて遥かに大柄なマヴィン王の背中をバシバシと叩いてる。この感じ、どこかで見たことあるな。
そうか、思い出した!男子バレー部の
「おお~! 君がリーネオ君か、そして其方が【
その元気な男の人はリーネオさんにも親しげに近付いて来て肩や背中をバシバシしてる。って、まだ自己紹介してなくない?
「おお、そうだった。俺がブリストルの王太子、ウスコア・クトアレスペルトだ。面倒臭い名前だろう? 『ウスコ』と呼んでくれて良いぞ!」
「ちょっと、ウスコ! はよ、ウチの紹介しんさい!」
彼と一緒に入って来た金髪の女の子が
「ああ、済まん済まん。我がブリストルの【聖女】チョウコだ。ちょっと気が強いが根は良い
「ウチは
やっぱり地球から転生して来た人だ! 背が私より5cm以上は高い。綺麗な顔立ちなんだけど髪の毛を染めてて目付きがキツクて、ちょっと怖いな。ヤンキーって言うのかな・・・。彼女は私を値踏みするみたいにジロジロ見てる。なんだろう、何か気に障ることしたかな?
「ふうん、連戦連勝の【
「えっと、その私が奇跡を起こした訳じゃ無くて・・・。」
「ちょっとアンタ! 何、リンに
「ん~、なんなら? 自分、ちっこい
いつの間にか【霊獣使い】のシューナちゃんも来てたんだね。お
「きゅー、きゅー」
シューナちゃんと一緒にやって来た五匹の「
「・・・。ふん、まあええわ。たちまち軍議
「うむ、そうだな。リーネオ君、軍議を始めようじゃないか! チョウコ、其方も少し控えよ。気持ちは良く判っておるから。」
ウスコアさんが宥めるとお蝶さんは途端に静かになった。すたすたと素直に席に着いたよ。気持ちが通じてるんだね。
リーネオさんが大きな地図を机の上に広げた。ゴルジョケアの都「ティペリス」と東にある大都市「イターン」、その間にある大きな草原地帯が戦場になるみたい。
「ゴルジョケア軍は約5万の兵を集めた。だが金で集めた傭兵が主だ。統率も取れて居らぬ。一度、崩れれば脆いと思う。」
「大して我らはイコォーマ連合軍が約4千、プロージア軍が3千、ブリストル軍が3千か・・・。合わせて約1万、敵は五倍か。」
リーネオさんの説明にマヴィン王がこちらの兵隊の数を計算して考え込んでる。私も今回で5回目の戦だけど、こちらの方がこんなに少ない戦いは初めてだ。これは大変だね。この日の軍議は夜遅くまで続いた・・・。
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