第13話
そして壁が白い明るい部屋に来た。隣にはティタルちゃんも居る。よし成功だよ。
「ああ、やっぱり来たわね。いきなり権利を一回使っちゃったわね。御免なさい。」
声がする方を見ると大きなテーブルの横、椅子に座る女神ユマさんが居る。こちらに手招きするので近寄って
「あらあら、すっかり仲良しね。ティタルちゃん、こんにちわ。」
「うん! こんにちわ。」
女神ユマさんにも
「ここに来たのは、この子のことで伺いたいことが沢山あるからなんです。単刀直入に言いますけど、ティタルちゃんを転生させた神様を知ってらっしゃいますか?」
「・・・。ええ、とても良く知ってるわ。 はい、
女神ユマさんが手をパンと
「え~、私、惑星『ヨーネキン』の神『エイフバ』です。女神『ユマラタル』の夫でもありますです。」
「あー! かみさまのおじちゃんだ。」
・・・。この人が「ダメンズ」
「まずティタルちゃんはどうして死んじゃったのですか? まさかエイフバさんのミスですか?」
「いやいや、
なるほど。チャラ神「コッタ」君ほど悪質ではないのかな。でも油断は出来ないな。
「この子の転生先はどうして、この世界になったのですか? 転生先を選択出来ることは説明されて無かったみたいですけど?」
「ああ、『転生申請書』は何枚も書いたんだけど、何故かここのしか通らなかったんだ。」
ん? チャラ神「コッタ」みたいな言い訳を始めたぞ。やっぱりおかしいな。と私が思った瞬間、ユマさんがパチンと指を鳴らした。するとポンッと若くてカッコいい男性が出現する。ビシッとスーツを着こなして、手に何枚か書類を持っているよ。
「ここで証人を
「あ、部下『アリステ』じゃないか! お前、まさか密告したのか!」
「被告は
「ゴホン! では、問題の『転生申請書』ですが、女神ユマ様に提出されたものは完璧に作成されていましたが、他のものは全く通す気の無い
なんか裁判みたいになって来たぞ? 何か、ここの書類だけを通したかったみたいだね。ん? そう言えば!
「あのスイマセン。ティタルちゃんは『【
「うん! そうだよ!」
「そうですよね。なにせ【
「いや、そりゃ王様のお嫁さんになれるし国民にも愛されるし、幸せになれるからに決まってるじゃないか?」
なんか、
「私の世界にも女性が幸せになれるスキルは他に一杯あります。【聖女】とか【霊獣使い】とか、色々・・・。でも貴方が【
そのスマホの画面にはガチャゲーのキャラクターが写ってる。可愛らしい女の子のイラスト、長い薄茶っぽい金髪にぱっちりと大きい紫の瞳、10代の少女をデフォルメして
「このキャラを引き当てた日のエイフバ様は浮かれ過ぎで全く仕事が手に付かずゲームばかりしておりました。元々、仕事を良くサボ、
「そんな中、『転生案件』が一つ来たそうね? このゲームキャラに生き写しのティタルちゃんがやって来た時の貴方の喜びようはもう凄かったと・・・。 ねえ、アリステ君。」
「はい。全ての業務を後回しにして、ティタル嬢の転生書類の作成だけに没頭しておりました。それはもうあんなに熱心に仕事をするエイフバ様は初めて拝見致しました。」
「いや、だって幼くして病に倒れたルル、いやティタルちゃんには幸せな『転生人生』を送って貰いたいじゃないか? 私だって
あ、ちゃんと小さい子の幸せは願ってたのか。やっぱり一応は父親らしいとこもあるんだね。と、私が思ったら部下アリステさんがまた何か書類を提出した。
「ふうん、『優遇スキル増加特別申請書』ねえ。こんな難しい書類、良く作成したものね。私でも数回しか通したことないわ。で、こうまで頑張ってティタルちゃんに付けてあげた『優遇スキル』がこれですか?
女神ユマさんが私に書類を渡す。それに目を通した私はビックリした。【
「あの・・・。こんな
「次の
「とうとう本音が出たわね!」「ズッパーン!」
女神ユマさんの【神を叩けるハリセン】が
「他にも証拠は
「・・・。だって、
これはダメな大人だ。こんなこと許せない。計算高いだけにチャラ神「コッタ」より悪質だよ。こんな小さな女の子を異世界に転生させて戦争
「有罪ですね、この人。」
「そうね、こんな主人で本当に御免なさい。と言う訳でこれを。」
女神ユマさんが【神を叩けるハリセン】を私に手渡す。判決も有罪。奥さんも公認。お覚悟です、ダメンズ
「いや、ちょっと待ってくれ。それならティタルちゃんがやるのが筋だろう?」
「ダメです。それではただの『ご
ダメ旦那神エイフバの
「これはティタルちゃんを利用した罰! 小さな子供を
「これはティタルちゃんを勝手に【
「これは自分の欲望のために沢山の人に迷惑を掛けた罰! 仕事中はスマホゲーム止めろ!」「ズッバアァーン!」
ダメ旦那神は頭から盛大に白煙を上げてるよ。体が半分くらい床に
「あの後のことは任せてね。あとティタルちゃんの心臓は完璧よ。この人、よっぽどこの子の容姿を変えたくなかったみたい。その分のポイントを全部、健康面に振ってたから今度は100歳まで生きられると思うわ。」
「そうですか。それを聞いて安心しました。」
女神ユマさんの話に私は安心した。そこは気になってたんだよね。
「今回使ってしまった権限は戻せないの。御免なさい。だから私に直接会えるのは後、二回ね。その代わり、これを特別にあげるわ。私と交信出来るアイテムよ。それじゃあ、またね。」
女神ユマさんがはそう言って
「はい、
「よろしくお願い致します。女神ユマ様。」
「あ! 部下アリステ、勝手に決めるな! 上司は僕なんだか・・・。」
三人の会話がそこまで聞こえて来た
もう
次の瞬間、私とティタルちゃんは目覚めた。目の前にクアーエさんが居た。
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