私と私

穂志上ケイ

短編

東雲もか (ももかさん) 高校2年生

東雲あや (あこさん)




私には好きな人がいる。


あや: 『どうしたの、もか。元気ないじゃん』

もか: 「実はね、今日クラスの子に告白されて」

あや: 『お~! それでオッケーしたの?』

もか: 「うんん。断ったよ。それに私だけの体じゃないし」

あや: 『そんな事、気にしなくてもいいいのに・・』


今は話しているのはもう一人の私だ。名前はあや。

小さい頃が私の中にて、何をするにも一緒にやってきた。


もか: 「それじゃあ、今日も夕食の後に交代でいい?」

あや: 『いいよ』


そう言ってあやは意識から消えていった。

私たちは時々意識を入れ替えて過ごしている。

体育があるときはあやに代わってもらったりしてる。

それにしても・・


もか: 「言えるわけないよ。本当の理由なんて」


その後夕食を終え、あやと意識を交代した。


もか: 『それじゃあ、ちょっと早いけどおやすみ。あや』

あや: 「おやすみ、もか」


次第にもかの意識が消え。


あや: 「それにしても告白かー。確かにもか可愛いし、男子がほっとくわけないか」


改めて鏡でもかじぶんを見てみると。整った顔つきにくびれの綺麗な体。


あや: 「もかって案外いい体してる」


って何言ってるの、私!


あや: 「もか、どうして断っちゃったんだろう」


少なくともさっきの答えは嘘じゃない。でもなんかひっかかる。

もしかして、好きな人がいる?

まさか。でも、そんなそぶり一切。

考えれば考える程もかがどうして断ったのか分からなくなってきた。


あや: 「もかの好きな人ってどんな人なんだろう・・」


その後、お風呂に入り、ベットに潜った。


■■■

翌朝


あや: 『もか、朝だよ』

もか: 「ん。ん~。あはよう、あや」

あや: 『ほら、早くしないと学校遅れるよ』

もか: 「うん・・」


朝食を済ませ身支度し、学校へと向かった。


あや: 『ねぇ、もか』

もか: 「何?」

あや: 『もかって好きな人いるの?』


そのあやの声はいつになく真剣でどこか元気がなかった。


もか: 「ど、どうしたの? 急にそんな事聞いて」

あや: 『いいから。いるの? いないの?」

もか: 「・・い、いるよ」

あや: (そっか、やっぱりいるのか)

あや: 『それで、どんな人なの?」

もか: 「その人はね、私の事誰よりも分かってて、いつも私のそばに居てくれて。この世で一番大好きな人なの!」

あや: 「・・そっか。そう、なんだ」


それじゃあ私に勝ち目なんて・・


あや: 『ごめん。朝から変な事聞いて。じゃあまた夕方」

もか: 「う、うん」


それからあやはとても静かになり、中々出てこなくなった。


3日後


もか: 「ねぇ、あや。私、何かした?」

あや: 『・・もかは何もしてないよ。ただ、ちょっと落ち込んでるだけ』 

もか: 「言ってみてよ。相談ならのるよ」

あや: 『いい。もかには分からない事だし』

もか: 「そんなの、やってみないと分からないでしょ! ほら何に悩んでるの?」

あや: 『いいって言ってるでしょ!』

もか: 「もしかして、この間の事?」

あや: 『・・・・・』

もか: 「そう、なんだね」

あや: 『私は、もかの事が好きなの。でもこの間の話を聞いて勝てないって思った。だから、今のもかの優しさが辛くて仕方ないの』

もか: 「あやは勘違いしてるよ」

あや: 『どういう、事?』

もか: 「私が好きなのはね、あやなんだよ」

あや: 『何それ。そんな嘘で私が・・』

もか: 「嘘じゃないよ。私は本当にあやの事が好きなの。誰よりも私の事分かってて、、いつもそばに居てくれるあやが!」

あや: 『ほんとに、私の事なんだ』

もか: 「そうだよ。それで今のあやは私の事、どう思ってるの?」

あや: 『・・私も、もかの事大好きだよ!』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

私と私 穂志上ケイ @hoshigamikei

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ