第4話 四

「上田君、手空いてるね。ちょっとこっちの新入社員にこのソフトの使い方、教えてあげて欲しいんだが」

「分かりました」

 それはその女を見てからしばらくした後のこと。

 ……ちなみに俺はこっちも柄にもないかもしれないが、パソコンなどの処理は得意な方だ。もちろんパソコンオタクではないが、大抵の処理ならスムーズにこなすことができる。

「私、パソコンちょっと苦手なんです……。教えてくださったら助かります!」

彼女の口調に、俺は少し違和感を抱く。

「君……?」

「あ、気になりました?私、兵庫県出身で、関西人なんです!標準語しゃべりたいんですけど、まだ慣れてなくて……」

「……そうなんだ」

 その女はダークブラウンに染めたショートカットの髪を手で少し触りながら恥ずかしそうにそう答える。またその声は少しハスキー。そんな姿を見て俺は、不覚にも、

『かわいいな』

と少しだけ思ってしまった。

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