久しぶりの登校


神鳴高校のとある教室にて



多くの男子からの射殺さんばかりの怨嗟の視線が突き刺さる。女子からはキャーキャーと言う黄色い声が上がる


俺は今日の朝、久しぶりに普通の生活が送れるとワクワクしながら家を出たはずだ

なのになんで…

「どうぞ夜長くん♡夜長くんが前に美味しいって言っていた卵焼きですよ。あーん♡」

「はい、やーくん♡やーくんが喜ぶと思って唐揚げ作ってきたんだ。あーん♡」

「月夜くんあーん♡前に私のお弁当の鮭食べたいって言っていたでしょう。だから用意してきたの♡」


…なんでこんなことになってるんだ!!?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


月曜。

それは大抵の人にとって来ないほうが嬉しい日だろう。もちろん俺もそう思っていた

だが、今の俺からすれば

かなり久しぶりに家の外でれる日なのだ!

…拉致られてから1週間一切家の外に出してもらえなかったからな、かなり楽しみだ。


「夜長くん♡一緒に行きましょう」

「やーくん♡学校いこ〜」

「月夜くん♡そろそろ向かいましょうか」


知ってた

こうなるとは思ってた

それでも!俺は普通の生活が送りたいんだ!

よしこうなったら…


「さすがにずっと一緒にいたら勘違いされちゃうからさ登校くらいバラバラにしよう?」


「イヤです(かな)(ね)」

…デスヨネー


というわけで三人から抱きつかれながら学校に着いた。周りからはものすごい奇異の視線で見られたが仕方ない、こうしないと学校にも行かせないと脅さ…説得されたのだ。



「三人共、もうそろそろ学校着くから離れてくれない?」

「イヤです(かな)(ね)」

「イヤってなんでそんなに離れたくないの?そろそろ周りの男子からの視線が痛いからマジで離れて欲しいんだけど」


「そんなの気にしなければいいじゃないですか」「そうだよ〜そんなのより私たちに集中してよ」「私たちに抱きつかれるのは嫌?」

うぐぐぐぐ…

仕方ない、走って振り切ろう


「わかったよ。でもその抱きつき方は少し腕がキツいから一旦離れて」

「むう、わかりました一旦離しますけど逃げないでくださいね?」

「…わかってる逃げないって」

みんなが離れてくれた隙をついて全力で走り出す。正直心が痛むがどうせ家でも抱き付こうとするんだから学校くらい許してくれ

「な!夜長くん待ってください!」

「や、やーくん!?待て〜!」

「月夜くん!待ちなさい!!」

後ろから聞こえる彼女たちの叫びを無視して学校に駆け込むのだった




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