対峙する 九尾の狐と座敷童子

夜長が屋敷で迷子になっていた頃…

夜長の部屋


やーくんが行方不明になってからもう3日…

学校の先生ややーくんのお母さん達は

留学に行ったって言ってたけど、

そんなはずない。やーくんはどこに行くにしても必ず私に報告してた…そうするようにずっと刷り込んできたのに…なのに一切連絡がなかった。絶対に何かあるはず…

「待っててね、やーくん♡私がすぐ迎えに行くから」


金の狐が静かに動き出した…

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


例の悲しい事件からさらに一夜が明けた

秘座子もふにゃふにゃの状態から立ち直り

俺は窮地から抜け出した…はずなのだが


「夜長くん昨日はすみません。お見苦しい所お見せしました」

「正直、なんで謝られてのかさっぱりわからないんだけど…そもそも秘座子があの状態になっちゃったのは俺が原因だし。」

「恥ずかしいことを思い出させないでください!!?そもそも、夜長くんは女性に対する配慮というものが足りません!女性と接する時は…


今度は怒られた挙句説教が始まった…

解せぬ。俺が何かしただろうか…

(注:しまくってます)


…ですからああいうことは、って聞いてるんですか!?夜長くん!」

とその時


ピンポーン


「うん?なんの音だ?」

「これは来客用のチャイムの音ですね」

「えっ?この家にもチャイムあるの!?」

「あるに決まってるじゃないですか逆になんでないと思ってたんです。」


…あまりにもでかい家だから

執事とか門番みたいな人が確認を

とったりするんだと思ってました


「仕方ないですね。夜長くんへの説教は置いておきましょう」

「そ、そうか いってらっしゃい」

「何を言っているんですか?

 夜長くんも一緒に来るんですよ?」


「えええええぇぇぇぇー!!??」

なんで俺まで!?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


そんなこんなで玄関前…

どんなすごい人が来るのか恐怖していると…

「大丈夫ですよ夜長くん♡夜長くんは私の夫として堂々としてください♡」

と秘座子が励ましてくれた

「ありがとう秘座子。お陰で少し怖くなくなったよ…ただ俺は君の夫じゃないからね?」

「わかってますよ。未来のお婿さん♡」

「いや、だから…「きたようですね」

(ここまで、来たんだ覚悟を決めよう)


…ゆっくりとドアが開く、その先に立っていたのは…

「あ〜、やーくん♡やっぱりここにいた♡」

「まこ?」

俺の幼馴染のまこだった


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あれから少しして俺ら三人は

客間で談笑していた


「そういえば…まこ、お前どうして俺がここにいるのが分かったんだ?」

「そんなの簡単だよ♡やーくんはいつもどこかに出かける時は必ず私に何か言ってから行くじゃん。なのに3日前は急にいなくなったんだもん。そしたらその日にあったいつもと違う事に関連してるんじゃないかって思うでしょ?」

「お、おう そうだったのか…」

そういえば、毎度まこに一言言ってから外出してたな…そりゃ気付くわけだ

「やっぱり私の予想は正しかったね♡

あっ時間が来ちゃった…もう帰らないと…」

もうそんな時間か…


「さぁ、やーくん♡私達の家に帰ろ♡」


「なにを言っているのですか?

残念ながら夜長くんの帰る家はここです

あなたと一緒になんて帰りません」

「はぁ…やっぱりあんたがやーくんを

ここに誘拐したんだ…まあ、いいけど

残念だけどやーくんの家はここじゃないの…分かったらさっさとそこをどいてくれる?」

「何を言っているのか分かりかねますが

彼の家はここですよ。夜長くんもそう認めています」

「そんなわけないでしょ。やーくんだって

ずっと暮らしてきた家の方がいいに決まってるじゃない」

「そんなわけないです…そもそも…」

「逆にその程度で…」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

二人の言い争いはが始まってから

1時間がたった、現在二人は…

「「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ」」

…まだ言い争っていた

「まあまあ、二人とも落ち着いて

そもそもなんで俺がどこに住むかで二人がそんなに揉めているの?」

俺はなんとか二人を宥めようとしたのだが…

「じゃあ、夜長(やーくん)はどっちがいいわけ(んですか)!?」



…俺はどうすればいいのだろうか


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る