【5】個人事業主の勇者
何度も言うが俺の仕事は勇者だ。
仕事なので対価は貰う。
働いて対価0はブラック過ぎじゃない?
ボランティア?慈善活動?アホじゃない?
金がねーと飯食えねーし、布団で寝ることも叶わない。
よく綺麗事言ってる腐れ勇者がいる。
『助けたら助けてもらえる!ご飯も笑顔で恵んでもらえるぞ!』
……は?え?
こいつマジで言ってんの?恵んでもらえる?こじるなよ!
仮にも勇者が、恵んでもらえるとか恥ずかしいわ!
勇者とは個人事業主みたいなもんだろうーよ。
名を売り、仕事を貰い報酬を得る。
何か俺、間違ってますかね?
で、何でこんなに愚痴ってるかと言うと久しぶりに勇者協会(通称<偽善者団体>)って俺は言ってる。
その連中と話したんだよね。
話の内容は最近1人の勇者が天に帰ったんだよ。そう、死んだの。偽善者らしい最後、助けた者にも、仲間にも見捨てられ魔王軍の贄にされたらしい。
人を信じすぎるからだ。アホらしい最期を遂げやがって……
仇は討ってやるからな。
天界で同期勇者だったお前の事、嫌いじゃなかったぞ。
それに輪をかけて俺の異端が問題だと言われちまったよ。
学習力が0なのか?お前ら偽善者団体は。
時に、助けた相手から金銭を要求する方がいいんだぜ。
相手も金を払えば助けてもらえるという思考に変わるからな。
逆もしかりだよ。お人好しは身を滅ぼす。
『…………つーか話なげーよ!!何の話だよ、ケッツァー!
滅茶苦茶嘆いてるやんか!』
『う、うるせーなー!
要するに自分の価値観は自分で決めて金を稼げって事だ!
俺達は組織に属していない個人事業主みたいなもんだって事で、安く見積もるから非業の死を迎えたりするって事を理解してもらいたいだけだよ。
って俺が言っても説得力0なんだけどな。ロイ、野宿するところ探そうぜ。』
『また、野宿っすか?』
『喜びたまえ、ロイ君!今日は近くに滝があった。水浴び可だ!』
『バカか!お前は!
あれ、さっきウリエル様が水遊びしてただろうが!
最早<神水>だよ!俺を殺す気か!』
『あ、忘れてた。めんごめんご。』
『やっぱり、お前は最低勇者だわ。』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます