第5話

 ガルディア帝国航空宇宙軍第2艦隊所属宇宙巡洋艦アガアム。

 「艦長!レーダーに対空目標多数接近、国境を越えて侵入して来ます!」

 「何?!遂に奴らが来やがったか、通信士、参謀本部に打電、敵は国境を越えて多数侵入、対処を急がれたし。我が艦は交戦規定に則り迎撃行動に出る、以上」

 「全艦、対空戦闘用意!」艦長が下令する。その後で副長も復唱する。


 エストリア王国航空宇宙軍第1機動艦隊旗艦キング・ガーナード。

 艦隊司令官キャラード・ホックリー大将は余裕を持ってガルディア帝国サーベシア自治共和国領空に侵入したがその前に倒さなければならない敵がいた。

 レーダーに映る敵の宇宙巡洋艦確かグワッド級だったか、を沈め陸上部隊を円滑に地上に降さなければならない、ホックリー大将は対艦戦闘を令しこの戦争初の戦闘が開始された。

 ミサイル巡洋艦ハーペストから対艦ミサイルが発射された。

 「対艦戦闘、ハープーン攻撃始め発射弾数二発、目標敵巡洋艦、方位060距離42キロ」

攻撃指揮官が対艦ミサイルハープーンの発射を令するとVLSから甲板にものすごい噴煙が起こった。対艦ミサイルハープーンは超音速ミサイルで速度2200キロで飛行し攻撃出来る。

 二発のミサイルは真っ直ぐ敵巡洋艦へ向けて飛行する。速度が2200キロということは僅か1分程で到着することになる。

 

宇宙巡洋艦アガアム。

 「敵艦から小型目標分離!高速で本艦に近づく対艦ミサイルが発射されたもよう、対空戦闘、スタンダード攻撃始め、用意、撃て!」

宇宙巡洋艦アガアムVLSから対空ミサイルスタンダードが発射された。スタンダードミサイルは4800キロの速度で敵対艦ミサイルへと向かう、そして交差する瞬間に近接信管を作動させて爆発した。がお互いが早すぎる為に爆発による攻撃はほんの僅かの差で躱された。

 「目標外れた!主砲、CIWS攻撃始め!チャフ発射!」

ミサイルが外れたのでもう一度ミサイル攻撃する時間は無い後は主砲がCIWSが墜としてくれるのを祈るしか無かった。それにチャフもある、躱せると淡い期待を艦長は持ったが無駄だった。主砲は当たらずCIWSはその弾幕で二、三発命中させたが艦体に突っ込む方が早かった、チャフはというと敵の対艦ミサイルは画像認識機能を持っておりほとんど意味がなかった。こうして二発の対艦ミサイルを左舷側に受けた艦体は機関室付近で二発のミサイルが爆発艦体は後部が粉々になって落ちていった。

 その後陸上部隊を乗せた飛行輸送艦が着地次々とサーベシア自治共和国のアハラ市へ侵入していく、現地の人からは解放軍として迎えられ、無血開城されていく。陸戦型ライトニングFR15と空戦型ライトニングFR16が次々とガルディアの無人機を破壊してゆく、こうしてサーベシア自治共和国はエストリア王国軍によって占領、即日独立を宣言した。

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