第3話

 11月6日、着任の挨拶を終えて昼飯を食べるためにナイトマンは食堂にいた。

 「今日の昼飯はカレーか…あのピリッと利いたスパイスたまらない、ロストルのカレーも美味しかったがトワイライトのはどうだろう?」

そう思って席に着くと突然話しかけられた。

 「なあ、あんた今度配属されてきた奴だろう?」

 「え?ああ…そうだが…」と言ったところで肩の階級章に目が止まった。大佐の階級章をつけている。

 ナイトマンは慌てて立ち上がり敬礼した。

 「これは失礼しました大佐」

すると大佐の男は「いやいや、いいんだよこちらこそ飯時に邪魔したな、俺の名前はハンス・カーゲル大佐だ。この航空宇宙戦艦の飛行団長をやってる。」

 ナイトマンは「そうでありますか、それで何のごようで?あ、そういえば着任の挨拶がまだでした、申し訳ありません」

「いや、いいんだそれより大事な話がある、ここじゃなんだからブリーフィング室で話そう」

ナイトマンとカーゲル大佐はブリーフィング室に向かって歩き出した。通路を進みブリーフィング室に着いた。扉が開いて中を見ると第205飛行隊の面々が居た。

 ナイトマンは「隊長たち、何で此処に?」

 リーベルン少佐は「いや、飛行団長が重要な話があるって仰るんでブリーフィング室に集まったんだよ」

 「そうなんですか、それで大佐重要な話って何ですか?」

カーゲル大佐は「実は、なエストリアが戦争を準備しているという情報が参謀本部から入ってな。この事はまだ我が艦の一部しか知らないが、じき皆に伝えられるだろう」

「戦争を準備?何故…」シラク大尉が言った。

「理由としては、今現在我が帝国領サーベシア自治共和国において独立紛争が起こっているのは知っているな?エストリアは独立支援という名目で戦争を起こそうとしている」

 サーベシア自治共和国はダークエルフの国であり4860年の併合以来独立運動がたびたびあった。

 「やばい話だな」ジョシュア少尉が呟く。

 「そう、やばい話だ」カーゲル大佐は冗談めかして言ったが目は笑っていなかった。

 「どうするんです?」とリーベルン少佐。

 「もうじき第1戦備体制が発令される、もしその時になったら…頼むぞ?」

 「分かりました準備しときます」

「よろしい、では解散」

 ナイトマン少尉は信じられないという思いといよいよ来るべき時がきたなという思いを胸にブリーフィング室を後にした。

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