第4話
それから私の生活はよりいっそう楽しくなった。
いつものように学校で、放課後に友達と過ごす。休日に家族と過ごす。
そして、彼と砂浜で過ごす。どれも私にとってかけがえのない一日だった。
毎日ように彼と会って、海に乗って私たちはいろんな所に行った。普通じゃ行けないような沖へ。誰も上がれない崖の上に。誰も住んでいない無人島へ。
そんなところでテントを張って泊まることもあった。
星空の下で波の音を聞きながら私たちは話をした。
彼は呟いた。
「楽しいな。こんな生活がずっと続けばいいのに…」
質問の意図は分からなかったけれど、そんなことを言う彼に私は答えた。
「続くよ。ずっとじゃないかもしれないけど、
私たちがそう思っているかぎりね」
彼はとうとうに質問をした。
「生きる意味って何かな?僕はずっと探してるんだけどまだ分かんないんだ」
私は急にそんなに深い質問がきて驚いた、そして何故そんなことが気になるのか疑問に思ったけれど、私は私の思うことを告げた。
「生きる意味かぁー、難しいなー。これは私が思ってることなんだけどね、生きることに意味はないんだと思うんだ。誰もうまれたいと思ってうまれてこないんだよ。お父さんとお母さんが子どもが欲しいそう思って私たちは自分の意思とは関係なしにこの世界に産み落とされる。そうしてうまれてきた私に意味があると思う?私は思わないな。でもね、生きる意味は自分で作ることができると思うんだ。生きてるうちにその楽しさを苦しさを知って、その中で自分で探すものだと思うんだ。そうだね、今の私の生きる意味は海斗と咲良とみんなといっしょにいることそしてみんなでいろんなことをして、考えて生きること。生きる意味なんてそのときそのときで変わっていいんじゃないかな。今は見つからなくてもきっといつか見つかるよ。それは明日かもしれないし、何十年先かもしれない、死ぬ間際かもしれないけど生きてさえいればきっと見つかるよ!自分の一番強く思ってることが生きる意味に繋がるよ」
ちゃんと言えてたかな、変なこと言ってないかな。私は不安を感じながらも、言いたいことを全部言い切った。
先程より少し明るい口調で彼は言った。
「君はそんなふうに考えてたんだね。僕はそんな考え方したことなかったな。でもすごい良い考えだと思うよ。僕もそんな見方をしてみようかな。君に言われたら、本当に見つかるような気がするよ」
そこから私たちは少し別の話をして、その日は終わった。
その日から彼とどこかに泊まることはなかったけど、私の日常が流れていった。
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