巨乳と処刑場
「さて、どうやって取り戻そうか」
私、マーシャにアストレア。 全員が深刻な顔でテーブルを囲みながら顔を見合わせている。
たった今、この瞬間も
「
「弱点か…… 使用者が直接触っていないといけないくらいだな。 それくらいしか弱点がないから封印していたんだがな……」
弱点もなく触れている限り五秒間時を戻せる。 そんなチート能力をもった道具がマーシャの国、ノズ公国の敵にあたる帝国にわたってしまった。
どう考えても勝てる気がしないなあ…… もし仮に奇襲が成功したとしても時計に触れていれば意味がなくなるんだもんね。
「そうだ姉さま! わたくしです!」
「……というと?」
「わたくしがその持ち主と会い気をそらしているうちにこっそり偽物と入れ替える、なんてどうです?」
アストレアはどうだ! とでも言わんばかりに胸を張って言う。
毎回思うけどなんで私の周りって胸が大きい人が多いんだろう。
確かアストレアって聞いたところ十五歳なんだよね。 やっぱり食べるものがいいと育つのかなあ……
「どうだ海凪? 私的には良い案だと思うのだがこの作戦を実行するには海凪とナミの協力が必須だ。 反対とあらば強制はしない」
「ん? 私は全然いいよ。 どっちかというとナミの方が重要な役だしね」
アストレアの胸について考えていてあんまり聞いていなかったけど私はそんな重要そうじゃないからね。 高みの見物させてもらおうかな。
「そういえばナミは今どこにいるんだろうか」
「お姉さま、さっきから話に出てくるナミ、とやらはどのような方で?」
疑問に思ったようでアストレアが聞いている。 マーシャは紅茶を飲みながら説明してあげて、と視線で送ってくる。
「ナミは私の連れで
「なるほど、ナミとやらは諜報向きの能力ということなのね。 そうしたら今
そういえば今ナミはどこにいるんだろう。 別れる前に水の羽衣にしてくれと頼まれていたからだいたいの場所はわかるんだよね。
「ねえアストレア、この町の西側って何があるの?」
「西側は…… その、処刑場になっているんだが……」
「「え!?」」
私とマーシャはそろって驚いた。 どうやらマーシャも私が質問した意図がわかっているようだ。
いやいや処刑場って!? まさかナミは捕まっているとか……
「マーシャ!」
「ああ! 今すぐ助けに行こう!」
私とマーシャはすぐに椅子から立ち上がり玄関に向かう。 動きにくいから水の羽衣に着替えようと走りながら服を脱ぐ。
「ちょっと! なんでここで脱いでいるのよ!? それとお姉さまが行くのならわたくしも行きますぅ!」
こうして猫耳少女と美少女領主と巨乳貴族が処刑場に走っていくというなんともシュールな絵になってしまっていた。
待っててねナミ! 絶対に殺させなんかしないから!
「ふあーあ。 やっと情報も手に入ったしそろそろ帰るかニャー」
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