アストレア
「これからどうしようか」
「うーん、まずは情報収集からじゃない?」
私たちはいったん広場から離れ、どうやって秘宝を探すかについて話し合っていた。
「でもむやみに秘宝のことなんて聞いていたら怪しまれて捕まっちゃう可能性もあるよね……」
「なら私の出番ニャね。 私なら隠密に情報収集くらいはできるニャよ」
「しかしナミ一人に任せてよいのか? 何か私にもできることは……」
「マーシャは帰るところがあるんだから大人しくね。 それにマーシャの綺麗な体が傷つくのは見たくないから」
「み、海凪…… 分かった、私は大人しくしていよう。 ただし戦うこと以外はさせてくれ」
マーシャが言うにはこの国にも知り合いがおりその人たちにも協力を要請してみる、とのことだった。
「じゃあ私はマーシャの護衛としてついて行くね。 ナミ、一人だけど大丈夫?」
「猫は一人が好きニャよー」
「なら大丈夫ね」
明日の朝に広場集合にしてナミと別れ、マーシャとともに情報収集することにした。 まず私たちは帝国に住んでいるというマーシャの臣下に会うことにした。
「失礼する。 アストレアはいるか?」
私たちは町はずれにある貴族の屋敷にやってきた。 門まで来るとメイドの人が出てきてマーシャはアストレアと言う人を呼んだ。
「ねえマーシャ、アストレアって誰?」
「アストレアは私の従妹にあたる者だ。 幼いころからよく遊んでいてな、でもこっちから訪ねるのは初めてだな」
そんなことを話していると屋敷の中から何かが猛スピードで走ってきた。
え、何!? なんかものすごい形相で走ってきてるんだけど!
「おねええええさまあああああああ! お元気でしたかあああああ!」
「久しいなアストレア、そなたこそ元気にしていたか?」
門を開けるなりいきなりマーシャに抱き着き泣き始めた。
「私はとても元気でしたわあああ! それでお姉さまはなぜ帝国に?」
「実はそのことについてなんだが誰にも聞かれない場所でできるか?」
「わかりましたわ! では中へ!」
いまだに触れられない私を置いて二人は屋敷の中に入って行ってしまった。
これって私も入った方がいいやつだよね……
「おっと、忘れるところだった。 アストレアよ、こちら私の護衛をしている海凪だ」
「どうも、ご苦労様ですわ」
「あ、ども……」
どうやらアストレアは私に興味がないようだ。 それでいてマーシャと腕を組んで屋敷に向かっている。
「そなたは異種族のようだがなにかの魔法が使えるのか?」
「え、えーと。 水の魔法と無限の魔力くらいですかね……」
私はマーシャの知り合いならと信用して話した。
「「えええええええええ!」」
「え?」
私何か変なこと言ったかな……
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