か、神様!?
目の前の元魔王は私たちに向かって自身のことを神と言った。
「か、神様!? え、うそでしょ!」
「その反応は傷つくな……」
「あ、ごめんなさい……」
自称神は傷ついたのか肩をすくめて後ろを向いてしまった。
正直めんどくさい。 けれど話が進まなそうだから励ましてあげるか……
「冗談ですよ。 その金髪の髪とか指輪が威厳があって神様っぽいですよ」
「え、ほんとかい!? いやー、嬉しいなー」
うわ、ちょろい。 こんなのが神様でいいのかな……
「そんなに俺様がかっこいいと言うなら良いものを授けよう」
「え!? 神様いいんですか!?」
「もちろんだ! この俺の良さがわかるんだからな。 それ相応の力を持たねば」
「でもそんなことしたら!」
いまいち状況が理解できていない私とナミを差し置いて神様同士で口論を始めた。
はあ。 神様が小学生にしか見えなくなってきた……
まあ待つけどさ、はやく終わらないかな。
「そ、それならしょうがないわね……」
「だろ? 最初から俺の言うことを聞いていれば良かったんだよ」
「うう……」
時間にして三十分ほどたった頃、神たちは話がまとまったのかおとなしくなった。
やっと終わったのか…… それで私たちはどうなるの?
「わかったわ。 私から説明するわね」
「あ、はい。」
「ニャー」
そして死神がこれからについてを語り始めた。
「とりあえずあなたたちには
死神は淡々と言う。
その世界のことや地球で言うところの中世の時代の文明であることなど役に立ちそうなことばかりだ。
でも地球並みの広さっていったい世界を救うまでに何日かかるんだろう。 絶対嫌ってわけじゃないけど気は進まないなあ。
「まあ、私からはこのくらいかしら。 後は頼むわね、全知全能の神様さん」
「おう! 任せろ!」
死神は皮肉を込めて言ったはずなのに神様はむしろ喜んでいる。
もしかして相当なドМなのかな、それともとんでもないポンコツなのか。 多分後者かな。
「それで私たちにくれる能力って何ですか?」
「ああ、それは無限の魔力だよ」
「へえー…… え!? 無限の魔力!?」
なんか知らないけど凄そう! ちょっと欲しいかもな。
「薄々気づいていたと思うけど水を操るときに少し疲労がなかったかい?」
「軽くダルいとは思っていましたけど……」
「そう! それが魔力の消費なんだ! それでまあ、俺様からは無限の魔力、つまり魔法を使うことによって疲労することがないようにしてやるよ!」
それって魔法を使える上限がないってこと? なにそれ、最強じゃん。
「ただし最強とは限らないわよ」
死神が心を読んで話を遮ってきた。
考えていることが筒抜けって怖いしいい気もしないからやめてほしいなあ。
「わかったわ、今後はしないようにするわね。 それで最強ではないって話だけどね。 魔法は無限に使える、そこはいいの」
「じゃあ、」
「話は最後まで聞くものよ?」
話を遮ってきた死神が言う。
「魔法によって疲れることがないだけで相手の攻撃が無効化されるわけでもないし、相手に耐性があれば永遠に防がれ続けるってことよ」
「それに肉体の疲労はあるんだしニャー」
「ああ、そっか。 じゃあ世界を救うのにギリギリの能力ってことね」
「そうなるのよね……」
神様もひどいことをするな。 これはもう
「それじゃあ、また転送するからそこを動かないでね」
「あ、はい」
「ニャー」
返事をすると死神がニコッと笑い魔法陣が浮かび上がる。
え、なに今の不吉な笑みは!?
「ちょ!」
「それじゃあ、ばいばーい」
突然視界に大量の情報が入ってくる。
体が軽くなり自由落下を始める。
ってまたか!
「あんのクソ死神ぃ!」
「くたばれニャぁぁ!」
こうして私は第二の世界に転生しましたとさ。
一体これからどうなるの……
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