第9話 Side:みずき テーブルひとつ

私の誕生日をお祝いしてもらってから早くも3か月以上が経過し世の中は秋から冬に突入しようとしていた


【お疲れ様です。ちゃんと生きてます?最近、顔出してくれないから心配】


メッセージの返信はあるものの、ざっき~はなかなか顔をだしてくれていない。


わたしは、お昼の仕事のに行くためにざっき~からもらった、お気に入りの時計をみにつけながら想う


(なんかわたし、きらわれることしたかな。。。よしっ。今日は、ほかのお客さんと同伴だから、気合いれなくちゃ)


同伴のあと接客をしていると。


からから~ん


「いらっしゃいませ~」


(あっざっき~さんだ!!)

といいつつ、勝手に話に行くわけにもいかず。目の前のお客さんに集中する。

ざっき~には、ヘルプとしてちーちゃんがついてくれている。話したいことがいっぱいありすぎて、どうしても別のカウンターが気になってしまう。


それからすこししてお客さんが帰られたので、ざっき~の接客を交代する。

(時計気付いてくれるのかな?!)

「おつかれさまです。ざっき~」


出来るだけの笑みで話かける。


「ああ。おつかれさん。」


「今日はゆっくりしていってくださいね。」

「ありがとう、時計してくれてんるんだね」


(気づいてくれた!やっぱりざっき~はいろんなことに気づいてくれるなぁ)


「はい!!わたしのお気に入りだから」


「きにいってくれたならほんとうれしい。」


そのあとも、他愛のない会話を楽しみ、接客だということを忘れそうになるくらいだった。


(ざっき~も来た時より顔が柔らかくなっているからよかった。でも、もっと会いに来てくれないかな。。。)




それから、また1か月が過ぎ、あの神の子のイベントが近づいてくるなかまたしても、ざっき~の足がスナックから遠のいていた。たまには、営業っぽくおくってみよ。


【おつかれさまです。今日も今日とてお仕事がんばってますか?また、最近顔見せてくれなくて寂しい。】


そんな、メッセージをいる。返信がくる。

【お疲れ様。じゃあ、今日、顔出しにいこうかな。】


(やった!)

昼、仕事先で小さくなぜかガッツポーズをしている。先輩と目が合いちょっときまずい。


からか~ん


「「ざっき~いらっしゃ~い」」


(あれ、なんか今日はざっき~雰囲気がやさしそうじゃないな)

「ざっき~なんかあった??」

「なんかあった?って唐突だね」


「だっていつもと飲むスピードが3倍くらいなってるよ。そんなときは、たいていざっき~からはマイナスオーラが漂っているから」

(そりゃ、あからさまにいつもと違うんだからきになるよ!!!)


「そっか。わるいね」


「まあ、そんなときもあるよね。」

(なに、きにしてんだろ。ちょっと気まずいわ)


「そうだね。」


「やっぱり、不機嫌。そんなざっき~あんまりよくないかな。力入りすぎだから、そしてちょっと飲みすぎだから」


「そっか、そうだね、せっかくみずきと話してるのにこんな顔してたらおよくないね。ごめんごめん。ねぇ愚痴ってもいい?」


(そんなの愚痴とかじゃないじゃん、間違いなく先輩が悪いやつじゃん。でもよくぶちぎれないでいれるなあ。ざっき~のメンタルはすごいと思う)


それから、仕事の話せる範囲での愚痴を聞かされたが、なぜかわたしの方が熱くなってきてけど、時間切れとなった。


ざっき~さんの以外な一面もみれた貴重な日だったな。頑張ってるねって頭を撫でたくったが、カウンター机一枚の距離が恨めしく思ったことはなった。


ここは、あくまでもスナックなのだ。これはお仕事で相手はお客様。


(今の、ざっき~さんと距離感てどのくらいなんだろう。?)


ざっき~さんえを横目に想う


カウンターテーブルひとつの距離がすごく遠くに感じる。もっといろんなこと知って距離 縮められたらいいのに。




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