第8話 いつもいいことだけとはかぎらない

「いやいや、それは、ありえません。どのように考えればそのような結論にいたるんですか。」

「どうもこうも、ないだろやれといったらやれ。私が見積もりを取得してやったんだ。予算オーバー分は本社に陳情し採ってこい」

「納得できません。残り予算は約8千万です。1億6千万なんて、予算の倍じゃないですか。比較する前から予算申請とはおかしすぎます。これは、見積もり比較したんですか?」


「だったら、勝手にしろ。二度と私を頼るな」


(一度も仕事をお願いしたことないっつーの、勝手に手伝ってヤバくなったて人のせいにして逃げるのが毎度の落ちなのに。)

俺は今、所属工場の大型インフラ回収工事の担当責任者をしてる。先ほどやりあっていたのは歳が10歳ほど上の先輩であるF先輩とでもしておこう、基本的には意見がかみ合わず。折り合いがわるい。


よほど手柄が欲しいのか、俺の案件にちょっかい出しては炎上させ、逃げるを繰り返している。


そんな、愚痴じみた、状況説明はやめにしよう。普段めったにイライラしない俺だが珍しくヒートアップしてしまった。


そんなときにふとみずきからメッセージが届く


【おつかれさまです。今日も今日とてお仕事がんばってますか?また、最近顔見せてくれなくて寂しい。】


そんな、メッセージをみて、イライラが少し収まっていく。

【お疲れ様。じゃあ、今日、顔出しにいこうかな。】


今日は、みずきに会いに行くことをモチベーションとしよう。


そうこうして、やっと仕事が終わる。よかった、みずきのところに間に合う。

そう、思うといてもたってもいられなくなって、足とりあえず早くみずきのところへ向かう


からから~ん


「「ざっき~いらっしゃ~い」」

ママとみずきが迎えてくれる。やっぱり、みずきをみるといやされるな。

「ざっき~なんかあった??」

「なんかあった?って唐突だね」

「だっていつもと飲むスピードが3倍くらいなってるよ。そんなときは、たいていざっき~からはマイナスオーラが漂っているから」

「そっか。わるいね」

「まあ、そんなときもあるよね。」

「そうだね。」

「やっぱり、不機嫌。そんなざっき~あんまりよくない。力入りすぎだから、そしてちょっと飲みすぎだから」

「そっか、そうだね、せっかくみずきと話してるのにこんな顔してたらおよくないね。ごめんごめん。ねぇ愚痴ってもいい?」

それから、仕事の話せる範囲での愚痴をきいてもらってしまった。

すごく癒されてる自分を感じながらみずきには、あんまり俺のかっこ悪いところをみせてしまったかもしれない。

まあこんな時があってもいいだろう。

(みずき・・・ごめん。)


まあ、いつもいいことだけとはかぎらない。。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る