第3話 自分について

「???何を言っているんだい?」


ちっ、非リアたちの呪詛が。効かなかった。


『聞こえているのか?』


「そういうスキルを持っているからね」


そういうものなのか?


『お前は誰だ?』


「僕かい?はは、僕しかいないから僕のことだよね。ごめんね、久しぶりに話を聞いてもらえているよ。楽しいね。」


俺は思った。こいつ同類じゃね?


相手の話を効かないタイプのコミュ障だ。


「ああ、名前だったね。僕の名前は、ルシファー。かつて傲慢の魔王と呼ばれていた吸血王さ!」


『?悪魔ではなく、吸血鬼なのか?』


世界が違うからかな?


「ああ、その事か。名前と傲慢の魔王というのは、人間たちが、勝手につけたんだけど、僕は、吸血鬼の始祖だから、再生するスキルを持った悪魔のだと思われたんじゃないかな?」


なるほど?まあ、そんなに重要なことでもないのでいいか。


『俺に気づいていたのか?』


「うん」


『そうか』


「あれ、ここは、どうやって?って聞くところじゃないの?」


『興味がないわけではないが、聞いたところでな。』


「えー、聞いてよー。聞いて、聞いて、キ、イ、テー。」


めんどくせぇー


『初めのイメージどこいった?』


「でも、真面目な話なんだよ。」


『どういうことだ?』


この状態から、シリアスに入るの?かっこつかないんだが?


「ここは、神によって見つけられないようにされているんだよ。」


神がいるのか?


「ましてや、僕が封印されている所まで来ることは、この世界のどんな生命体でも不可能なんだよ。」


この世界?異世界の存在を、知っているのか?まあ、後で聞くか。


『なんで、俺はここに来れたんだ?』


「推測でいいかい?」


『ああ』


「君の状態は、魂としては生きているが、生物としては死んでいるからだね。」


『理解できないんだが?』


「説明が難しいね。そうだね、生きているの定義は、体の中に、魂があって初めて、生きていると言える。アンデッドにも、例外はない。」


『レイスは?』


「いい質問だね。レイスは、どうやって発生するか知っているかい?」


『魔素からか?』


「せいかーい」


おーラノベ知識久しぶりに役に立ったな


「魔素から生まれる魔物は、例外があるけど知能が低い。というか、自我がない。」


本能に生きているのか?なんかかっこいい。


「勘違いしているのか分からないけれど、レイスとゴーストは別の種族だよ、ゴーストは人の怨念そのもの。魂とは別物だよ。」


「説明すると長くなるから、話を戻すけど、君の状態は、魂を体に入れる前に、転生させてしまったような感じかな?」


「生者でもなく死者でもないから、神の結界が作動してないんだと思うよ。なんで、君のような種族が生まれたんだろうね?輪廻転生に不具合でも生じたのかな?」


ん???


『俺の種族をなぜ知っているのかは、置いといてだ。俺と同じ種族を見たことがないのか?』


「僕は1万年ぐらい前に封印されてから外を見てないからなんとも言えないけれど、見たことないね。」


俺のスキル人魂しか吸収できないんだが?







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