最大の難関
黛のクランに入るという事は僕が苦手にしている自己紹介をしないといけないのかな それとも事情も説明しないといけないかなぁ...ちょっと面倒に感じちゃうけど...やらないと行けないし...一ミリだけ頑張ってみようかな ちょっとだけね
「じゃあ今から俺たちのクランの拠点に向かうけど大丈夫か?」
『さっきの三人も居るの?』
「さっきの三人は...多分居ないと思うぞ?」
居ないのか、なんでかと言うとクランと言っても同じ学校の友達が複数とネットの友達複数で作ったクランらしくちゃんと集まるって決めた日以外は大体その拠点?には居ないらしい そういう時でも居るのは大体暇人か何か予定がある人ぐらい つまり拠点に行ってももしかしたら顔合わせすらしなくてもいいのかもしれない それは完璧だ 顔合わせはしないけどクランに所属さえすれば幽霊メンバーとして在籍する事が出来るのかもしれない しれない!!
取り合えずその拠点に向かうという事になったので二人で歩いていく 歩いている間は無言になるが私の視線は色んな物へと向けられる なんて言ったってこのゲームは初めてまだ二日だ 全然見た事が無い物とかが気になる ただ傍から見たら可愛い少女が目を輝かせて色々な方向に首を振っているのだ 少し微笑ましい目で見られてもしょうがないと思う 気づけばそのクランの拠点とかいう場所についていたし...いつの間に
「お前全然道とか見てなかっただろ、もしこのクランに入るのなら場所を覚えて貰うからな」
『そもそも街すら覚えきれてないのに』
「覚えるのは得意だろ」
『まぁ...そうだけど』
クランの拠点は外から見たら本当に質素な家って感じだ このクランって何人で構成されてるのかな?沢山居るのはとっても嫌なんだけどね...少なすぎて固定のメンバーみたいな感じでも入りにくて少し嫌だなぁ 入らせて貰うのにわがままなのかもしれない
拠点に入ると簡単なボードと小さい台所みたいな感じで本当に小さい拠点って感じだ、クランっていうからもっと大きい物を想像していたけど...割といい感じかも? 中に誰も居ない事を祈っていたが台所の様な場所で棚を整理している人が居るのを見てしまった って事は挨拶をしないといけないのかな
「ん?黛か、今日は集会は無かったはずですけど...どうしました?」
「今日は新人を連れてきたから案内するだけだよ」
「なるほど?その後ろに居る可愛い子が新人さんですか?」
「そうだけど、ちょっと人見知りで訳アリだ、本人がいいって言うまであんまり詮索しないでくれると助かる」
「えぇ、了解しました」
そういうとイケメン風の男はそのまま棚整理を開始した この人はインターネットの友達なのだろうか それとも高校の友達なのだろうか どっちか分からないけどどっちにしろ喋れないけどね... ただ訳ありってだけで全てを理解したかの様に一度放置してくれる辺りリアルでもさぞモテているのかもしれない こういう人に限ってなんでも出来るのにこういうゲームをやるんだ やっぱりイケメンはユルセナイ
『あの人は?』
「あぁ...あいつは涼、高校の友達だ...イケメンだし気も利くしいい奴なんだが...ちょっと趣味を拗らせていてな」
趣味を拗らせている...どういう風に拗らせているのか聞きたいんだけど他人の趣味を人づてに聞くのも正直どうかなとは思うんだけど結局興味の方が勝ってしまった そういうと黛は今お前が聞いたら絶対に後悔するぞ?と念押しをされた上で教えて貰った
「あいつはインターネットのロリキャラを愛している...とか言っているみたいでな?だから多分だけどドストライクの姿の子が出てきたから平静を保つので精一杯なんだと思う あんまり近寄らない方がいいぞ」
やっぱり興味で動くと身を滅ぼすのかもしれない なるほどイケメンで気が利くけどロリコンなのかぁ... イケメンはユルセナイと言ったけどあの人はちょっと残念なのかもしれない
そう思いながらちょっと視線を送るとこっちをチラチラみて目が合うと明らかに喜んでいたのでやっぱり無視しておこう その方がお互いの為になるのかもしれない クランに入るには何か必要かと思ったけどどうやらシステム的な申請をするだけで簡単に入る事が出来るみたいだ
という事でやり方を簡単に教えて貰う これはこちらから居れてほしいと送るかあちらから誘われるかの二択だ 今回はシステムの勉強をする為に両方のやり方を教えて貰う どちらもフレンド欄から申請したり承諾したりできるので意外と簡単だったりする
という訳で僕は黛達のクランに入ったんだけどこのクラン、名前とか無いのだろうか かっこいい名前とか
「名前かぁ...考えては居るんだが...特に決まらなくてな、今の所そのまんまクランって呼んでいる」
『かっこいい名前にしちゃおうよ』
「そんなに言うならお前が決めるか?」
え?いきなりどんな無茶ぶり? 確かに名前が欲しいって言ったのは私だけど...だからって新米の私に全てを託す?どうなっているんだこのクランは...
「まぁぼちぼち考えておいてくれよ」
『まぁ...いいけど』
そういいながら黛はそこら辺にある椅子に座って休憩を始めた それに倣って私も椅子に座りクランの名前を考える といってもこのクランの特徴も知らなければどんな人が居るかも知らないからなぁ 今のままだと涼さんと黛、他にあのあった三人しか知らないから...うーん、学校の名前でいいんじゃないかなぁ ただネットの人も居るんだよね? こうなったら全員を認識してからちゃんと特徴を捉えたクラン名にしたいな
考え事をしているとすぐにお腹が空いてくる そろそろ夜ご飯の時間か、支度...したいけど外に出たくないしまた出前を取って寝ちゃおうかな お風呂...うん、何も考えないでおこう こういうのは考えたら負けなんだきっと
黛がご飯で落ちるらしく僕もついでに「valhalla」を落としてご飯を食べてしまおう そう思いさっさとゲームを落としてVRゴーグルを外して出前を頼んじゃおう 今日は...今日も寿司!
◆◇◆◇
出前は楽でいいなぁ... まじまじと鏡で自分の顔を見ているけどどうしてこうなってしまったんだろう 一人暮らしだったのが幸いだけど...だけど、家族が居ない訳じゃない 姉も居るし両親も居る 両親は今は出張で帰ってこない 姉は既に独り立ちして仕事をしているけど仕事がある程度落ち着いたらこの家に帰ってくる 仕事の周期的にはまだ帰ってこないと思うけど帰ってくる時までにどうにかしないといけない ただどうにかするって言ってもどうしよう...秘密...は家族なのに姿を見せないって事になる 一回二回ぐらいならなんとかなるかもしれないけどずっとなんて絶対に無理だ 姉に関してはすぐに部屋に突入してきそうな気がする
ずっと考えていたけどどれだけ考えても対策なんて思いつかなったのでお風呂に入ってしまおう お風呂、脱衣所で服を脱いで自分の体をまじまじと見てみる
本当に変わっちゃったんだなぁ...髪の毛も真っ白だ 胸も少しふっくらしている そして極めつけは頭に生えている猫耳とお尻に生えている尻尾だ 現実世界じゃないと思ってしまうけど...触ってみるとちゃんと感触もあるしなんなら自分で触っていて擽ったい これ他人に触られたら面白い反応してしまいそうだ,,,普段は隠しておこう
◆◇◆◇
シャワーを浴びてさっさと終わらしてしまったけど本当ならもっと丁寧にやった方がいいのだろうか いつもの感覚でさっさとやってしまったけど でも女の子のお風呂の入り方なんて知らないけど...今度姉に聞いてみようかな? 聞いたら変な疑いかけられそうだけど
タオルで頭をごしごしと拭いて体の水滴に拭き取った後に自分の服を着ようと思ったけど...でかいなぁ...ズボンなんてぶかぶかだ 一人暮らしだとシャツ一枚でいいや
シャツを着てベッドの上でだらだらしているとインターホンが家に鳴り響いた 何か荷物でも頼んでいたかな? そう思いながら覗き穴で待っている人を覗くとそこには...お土産を持っている姉が居た どうして姉が居るんだろう...幻覚かな? うん、幻覚だろう 疲れているみたいだから大人しく部屋に戻って眠る事にしよう
「士郎?お姉ちゃんが帰ってきたよ?」
どうやら幻覚じゃなかったみたいだ どうしようか...僕の心はまだ準備が出来ていないので出来るならやり過ごしたいんだけど...風邪ひいてる事にしようかな うーむ、取り合えず部屋に避難しよう
「?...もしかして寝ている?メッセージも見てなかったみたいだし...入るよー?」
僕を寝ていると勘違いしたのか合い鍵を使って中に入ってくる 僕は急いで部屋に戻って布団の中に籠る事にした 取りあえず寝ていたって事にして体調不良と偽りつつ姉の用事を伺う事にしよう もしかしたら僕の様子を見に来ただけかもしれないし
部屋の前まで来て音が聞こえない事に違和感を感じたのか少しドアを開けて部屋の様子を見てきた 僕は布団の中に潜り込む様にして姿を見られないようしたら姉は僕が寝ていると勝手に勘違いしてくれたみたいでドアを閉じてくれた 危ない危ない、こんな姿を見られたら...特に何か困る訳じゃないかもしれないけど僕って説明するのがとっても大変かもしれない それに私の心の準備はまだ整っていないし
◆◇◆◇
少ししたら姉からメッセージが届いた、どうやた気分がよくなったらリビングに顔を出しないといった旨のメッセージだった 僕は体調が悪いから部屋に居とくとメッセージを送った ついでに姉にどれくらい家に居るのかとか聞いておこうかな
「どれくらい?仕事も落ち着いたし一か月ぐらいはだらだらさせて貰おうかなって思ってるよ」
完全に詰みました 一か月も部屋に引き籠ったら流石に怪しまれる というか一週間で絶対に引き釣り出される うーむ、どうにかして一か月やり過ごしたら絶対に姉が怪しんで親に連絡が行って結果引き釣りだされる事になる...どうしようかな 詰みなんだよね
といっても何度も言うけど心の準備が出来てないのでまだ引き篭もりさせて貰うけど...
「今日は辛いみたいだし明日はちゃんと姿を見せてよ?顔を見て話したいし」
どうやら明日までに心の準備を決めて顔を出さないとだめかぁ...正直無理かもしれないけど...えーいっ、明日の僕頑張れ!
反転 猫耳症状は引き篭もる 真姫(まひめ) @m4h1me
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。反転 猫耳症状は引き篭もるの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます