第7話童貞に戻った

風呂場でしばらくイチャついた後、相手はバスローブを巻いてベッドに向かった。


僕もそれに習い、同じようにした。



そもそもラブホテルに入ったのは久しぶりで作法すら忘れてしまった。



これから約30年振りで19歳の女の子とつながると思うだけで、ドキドキしていたのだ。


相手は何とも思っていないだろうが。



女の子は少しスマホをいじってからベッドに潜り、掛け布団をかけ、まな板の鯉のように僕を待っていた。


布2枚をはがせば、そこには19歳の肌がある。


そう思うだけで、陰茎が自然と勃起してきた。



今の僕は初々しさがある。



どうやって女の子を気持ちよくさせたらいいか、イカせることが出来るか、そんなことばっかり考えていた。



夫婦時代は違う。



あのころは、ただ前戯なし、挿入のみ。


そして相手が勝手にイッて終わり。



まともに一から考えて性行為をするというのが、もう20年振りかもしれない。


そして何からやろうかと、アダルトビデオと同じようなことをするしかなかった。



まずはお互いの唇を重ねることから。


だってキスから始まり、キスで終わるんでしょ?


とまるで昔のセックスブックのシナリオ通りに。



19歳の唇の感触を味わいながら、僕の手は相手の胸の膨らみと既に勃起している乳首をバスローブ越しに軽く撫でまわしている。


19歳の女の子の吐息、微かな喘ぎ声。


陰茎にどんどん血液が入り込んでいくのがわかる。



たまらず、最後の門であるバスローブを外すと、肌潤いが良さそうな乳房が出てきた。



たまらず女性経験の少ない50歳オヤジのやつれた舌が、いろんな男に弄ばれてきた19歳のムスメの乳首を転がしていく。


早くなる心臓の鼓動、


「あんっ♡」という青い声、


全てが30年振りな経験。



夫婦時代では


乳首なんて触らない、ただ前戯なし、挿入のみ。


そして相手が勝手にイッて終わり。



やっぱり若い方が良いさ。


僕の表現でいうと、バナナも皮が黄色いより、青い方が好きという感じである。



それでも緊張は隠せない。


男は女をイかせるものとしか考えていなかったので、そのプロセス、順番を間違えないように努めなければならない。


そんな気持ちが先行していた。


30年前のやり方を思い出しながら。



そう童貞時代を思い出しながら。







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パパ活ってどうなの?金でみんな解決してやるキモいおじさん @shouwa46nen

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