第5話19歳の女の子に会ってみました

これから会う19歳の女の子とは、事前に何度もダイレクトメールでやり取りをした。


家を出るとき、最寄り駅に着いたとき、現地に着いたとき、服装etc.


相手を安心させるためである。



パパ活界隈には、いろんな女、男がいるのだが、一番困るのがドタキャン、バックレである。



会う約束をして、いざ時間になって、待ち合わせ場所に着くと、相手側からブロックされてしまう。


その逆もあって、女の方が会う前にEメール版のアマギフをくれ(男がバックレないために保険としてもらっておく)と言って、結局来ないというケースもある。



男の方は大した金ではないから、勉強代として払ったくらいにしか思わないだろうが、女の方は金に困っていて、それを当てにしているし、更にそのための時間を使い、交通費も払ってきているのだから、ぴえん超えてぱおんよりも深刻な問題である。



そういったことをつぶやいていることが多かったので、あまりにもかわいそうだと思い、そこまで事細かくしてあげた。



そして、妻のことを頭から消し去ってから、待ち合わせ場所であるJR渋谷駅の改札前の壁掛け看板の前に移動した。


階段から何人もの人間が上がったり下りたりしている。


相手から服装の件を聞いているので、女の人を目で追いながらいると、相手からダイレクトメールで、「少し遅れます」ということだった。



妻と結婚する前、恋人としての付き合いも長かったが、2時間待ちなんてのもザラだったから、遅れるくらい痛くも痒くもない。


まあ、いろんな人が行きかう中、改札口の前で直立不動で立って、中を覗いているさまは、彼らから見たら滑稽に見えるだろうが、そんなに気にするほどではないか。


別の場所では、若い女の人たちが、壁に寄り掛かるように、スマホを見ながらずっと立っていたから。



その子に若い男の人が声をかけてきて、「初めまして」と言っていたのを見ると、僕の仲間だと分かった。



しばらく時間が過ぎ、JR側からではなく、別のところから相手はやってきた。


こちらはJRから来るものだろうと思っていたから、勘違いしていた。


相手は別の鉄道路線から来たのだ。



実は僕は田舎者で、渋谷駅はいろんな線が来ているのはわかっていたが、出口は一つと思っていた。


そもそもここに来たのが、電子マネーではなく紙切符という時点で、この街中では貴重な存在だったのなのかもしれない。



それより、相手も僕もすぐ気付けた。


僕が看板の前にいたということも良かっただろうが、お互いが事細かく連絡を取り合ったというのがいい結果につながったと思う。



そんなことより、僕の前には19歳の女の子がいる。


にっこり笑顔のすらっとした女の子。



これから、僕はその子とセックスするのである。





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