第3話パパ活初心者


ちさ


そういう垢。19歳。158cm。Cカップ。専門学校生です。


明日夕方から会える人いませんか?

渋谷のみ

2hホ別ゴムあり3~

2回戦は+1~

生は絶対にダメ

プチはやってません

少しでも嫌なことがあったら、返金はせずに帰らせていただきます

ドタキャンはやめてください、垢晒しします

お互い楽しい時間を過ごしましょう

#サポ #円 #新宿



そういう垢とはパパ活大人(買春、援助交際)の募集である。


買春、援助交際とかあからさまに出すと、アカウントが凍結してしまうから、隠語で募集することになっている。



僕は出会い系サイトとかやったことがなかったのだが、どうしてもセックスがしたかった。


風俗業のプロの女とはする気がなく、あくまでも素人としたかった。



僕は妻以外とセックスがしたことがない。


ちなみに僕の歳は50歳である。


子供はいない。


親もいない。


きょうだいもいない。


妻がいなくなって、今のままでは天涯孤独である。


といっても、今から婚活なんて。



とにかく、今はセックスがしたい。


その子にダイレクトメールを送った。




「初めまして

 50歳ですけど大丈夫ですか?」



「初めまして

 年齢とか気にしないので大丈夫ですよ」



50歳の男が19歳の女の子と文字だけでもやりとりできるだけで、普通じゃありえないと思っていたから、これだけで有頂天になってしまった。


男ばかりの従業員の環境においては、最高のおもてなしである。



「ありがとうございます

 自分こんなことをするのは初めてなんですけど

 絶対にドタキャンはしないので、よろしくお願いいたします」



「こちらこそよろしくお願いします

 時間は18時でよろしいでしょうか?

 場所は渋谷のどこにします?」



「渋谷よくわからないので、あなたに任せますよ」



「了解しました。

 じゃ、渋谷駅のハチ公口改札はどうですか?」



「ではそこでお願いします」



「了解しました

 では明日よろしくお願いします」



50歳の男にして、インターネットでこんなやり取りをしたのは初めてである。


昔は文通か?


いや文通すらしたことがない。



学生時代も女と付き合ったことないし、体に触れるなんて、フォークダンスくらいか。


いや、フォークダンスですら、指を微妙に触れていないじゃないか。



街で声掛け、ナンパってやつだろうが、そんな勇気もなかったし、顔もイケメンではなく、学生の頃から中年太りだったし、女にモテる要素なし。


当然童貞であったのだ。



女の子と付き合ったのは、21歳の時であり、しばらくして童貞を卒業。


そしてその子と結婚したのだ。



そうまともに女の子とやり取りをしたことでさえ、約30年ぶりだったわけである。



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