第29話 魔力紋。
そんな感じでふわふわ歩いてたらなんだか街の中心部に到着してた。
って、中心部にあるのはおっきな公園? 緑がいっぱい。
白い煉瓦の建物が途切れいきなり広い場所が現れた。
ゆったりと緑に覆われたその庭園の中央にはここから見てもわかるくらい大きなお城のような建物が見える。
和風なお城じゃなくてどちらかと言ったら洋風なお城なんだけどね。
尖塔がいくつか見えその中央に大きめの塔。その先、屋根の部分だけ青く壁の部分は白亜の大理石の様な光沢のある白さ。
空が透き通るように青いから、ものすごく映えて見える、かな。
しばらく見とれてると、向こうから歩いてくる人がいる。
ん! なんだか騎士様? のような感じの人。
まずい?
ここにくるまでの間も人通りはほとんど無かったし、もしかしてこんなところふらふら歩いてると咎められたりするの!?
目の前まで来たその男性。
剣を下げてるところを見ても衛兵さんか騎士さんか、そんな感じで。
深い筒のような帽子のせいで表情がよくわからないけど……。
「どうされました? お嬢さん。ここは中央省庁区になりますよ。一般市民は立ち入りが禁止されておりますが」
ああ、そうなんだ……。
「わたし、図書館に行こうと思って……」
そう答えてみた。なんとか入る方法はないのかなぁ。
「ああ、利用記録が有りますね。セリーヌ・マギレイス・ラギ・レイズ様。失礼致しました。どうぞお通りくださいませ」
え?
《魔力紋が登録されてたって事じゃないかな? 以前の君が来たことが有るって言ったろ?》
あう。魔力紋?
《魔力の波紋、これは人の
そうなんだ。
うう。ってことはボクはやっぱりセリーヌって事?
《いい加減しつこいな。そうだって言ってるのに》
ごめん、フニウ……。
ボクは軽くその衛兵さん? に会釈をして脇を通り抜けた。
とにかくセリーヌはここをスルーパスできるらしいんだから、めげてないで喜ばなくちゃ? なのかな。
そのまま庭園の通路を抜けると博物館の隣に図書館。
ああ、ここだけ赤レンガ。
なんだか懐かしさも漂うそんな建物に、ボクは吸い込まれるように入って行った。
入り口にもどうやら魔力紋ゲートみたいのがあって許可された者しか通れないようになっていたみたいだけど、そこも難なくクリア。
「いらっしゃいませ姫さま」
「本日は何をお探しでしょう?」
そこには子供くらいの大きさの猫の着ぐるみ? みたいなのが二人いて、ボクにそう声をかけてくれた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます