第21話 よろずギルド。

「お二人はどんな関係なの?」


「えーと、兄デス」


「ふーん。そうじゃないかなって思ってたんだけどやっぱり。似てるものセリーヌちゃんとシルヴァさん」


「まあな。そっくりだろ?」


「そうだなー。似てる似てる」


 ダントさんとマーリンさん、もうすっかりシルヴァとも打ち解けて。


 まあね、男女が同じ部屋に泊まって平気だなんて、恋人か兄妹か、だよね?


 だから人に聞かれたらそう答えることにしたの。


 もともと顔立ちはそっくりだしほんとボクを男性として成長させたような感じに見える。


 ふふ。なんだかね。変な感じ。




 街はけっこう綺麗。石畳も剥がれちゃったりしてないし割れてる所も見当たらない。時々馬車が走っていくからわだちだって出来るだろうに。


 そういうのがちゃんと舗装し直されて綺麗に保たれてる所を見ても、この世界の文化水準がけっこう高いって気がするよね。


 建物もほぼ煉瓦レンガ


 それもほぼ全て白い煉瓦だもんだからすっごく綺麗な街に見えるわけ。


 煉瓦なんか赤茶けたの想像しちゃってたけどこんな白い煉瓦だったらおしゃれだよね。ほんと。


 窓ガラスも普通にあるし、ねえ。この世界ってどうなってるんだろう?


 ある程度科学水準が高くないとこれだけの街を維持するのって難しいような気もするけど……。


 にしては、リザードドラゴン倒すのに剣と魔法、だもんね。


 ちょっとバランスがおかしい、かな?




 そんな事考えてたらよろずギルドに到着です。


 入り口はウエスタンっぽいスイングドア。なんだかお約束な感じでちょっと拍子抜け。


 うーん。なんだか、だ。


 ダントさんがカウンターのお姉さんに話をつけてくれて、ボクたちが貰った分の素材は無事買い取って貰えた。


 金貨がけっこうぎっしり入った掌大の革袋を5袋。


 これだけあれば一年間くらい旅館に泊まれるって話。


 あ、ここの一年はやっぱり地球の一年と同じくらいらしい。30日カケル十二ヶ月。なんでだろうね? ここって地球のパラレル世界なの? もしかして。


 太陽の位置も見かけもおんなじ感じだしね?


 ほんと不思議。


 貰ったお金はシルヴァのリュックに入れて貰った。リュックは流石に無いと面倒だと思って旅館の売店で買ったんだけど。


 人前でレイス収納見せるわけにもいかないしね?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る