第3話

「ガチンコ勇者クラブがはじまってから2か月がたちました。

 もう勇者テストまで後1か月。

 さっそくハラタケさんのところにいってみましょう」オキト


「オキトさん。お久しぶりです」ハラタケ


「今日はノアミはいないんですか?」オキト


「いまはロードワークいってます。午前中は基礎トレーニング。

 やっぱり基礎は大事ですから。午後からスパーリングしてます」ハラタケ


「トレーニングは順調ですか?」オキト


「まあ最初のスパーリングで倒されたのがきいたのか、

 今は指示に 従って頑張ってやってますよ」ハラタケ


「そうですか。よかったです」ノアミ


ハラタケから順調だときいて、ホッと胸をなでおろすオキト。


今度はノアミのもとに向かう。

森のはずれで基礎トレーニングしているノアミ。


「ノアミ!頑張ってるんだって?」オキト


「頑張るしかないでしょう。

 勇者になったらモンスターとの戦いですからね。

 死にたくないから頑張るんですよ」ノアミ


「ハラタケさんとはどう? うまくいってる?

 前回、スパーで殴られてたから心配で」オキト


「あのオッサンだけは、本当にムカツキますね」ノアミ


どんなにムカついても相手は世界チャンピオン。

しかも異世界転生の先輩で、勇者としても大先輩。

強くなるには従うしかない。

しかし見ていろよ!いつか超えてやる!

とでも言いたげな顔のノアミ!


だが、この後、とんでもない事態が!

いったいどうなってしまうのか!


翌日、トレーニングメニューが変更された。


「もう勇者テストまで1か月きったから。

 これからは午前はスパーリング。午後からは座学。

 異世界のこととか知ってないと、筆記試験とかもあるからね」ハラタケ


「まじかよ! 筆記試験あるのかよ」ノアミ


「やっぱテストはにがてなんだ」オキト


「そりゃそうですよ。テスト得意なら不良やってませんよ」ノアミ


やはり不良!テストは苦手!

それから1か月ちかく、猛勉強したノアミ!

しかし、とんでもない事態が!


「トレーニング中にノアミが怪我したんですよ」ハラタケ


「怪我はどんくらいひどいんですか?」オキト


「まあ、全治1週間程度なんで本来は大したことないんですけど。

 3日後の勇者テストは厳しいですね」ハラタケ


「薬や回復魔法とかで治せないんですか」オキト


現代日本と違って国民健康保険も社会保険なんてものもない!

回復魔法や高度な薬は、大金が必要!

当然、ハラタケは回復魔法なんざ使えない。


「この異世界ヴァルハランドでは社会保障は全然ですよ」ハラタケ


『これはヤバい!棄権するしかないのか?

 せっかくの企画がパーじゃん』オキト心の声


「これは棄権するしかないですよね」オキト


「そうですね。実技試験ではモンスターとの

 実戦とかある場合もありますから」ハラタケ


棄権やむなし!二人がそんな風に決定づけようとした、その時!


「俺はやるぜ!ハラタケさん!今回は棄権なんてしねえ!」ノアミ


「ムチャいうなや!無理に決まっとろぉが!」ハラタケ


『いいぞ!怪我をおして挑戦。いい映像とれるぜ』オキト心の声


「やめとけよ。ハラタケさんのいうこと聞こうぜ!

 チャンスはまたあるよ!次にリベンジしよう」オキト


「チャンピオンベルトかかっとるなら、こんくらいの怪我で挑戦も

 しょうがないけど。プロテストぐらいじゃ 

 無理してもしょうがないじゃろ」ハラタケ


「ハラタケさん。あんたの全盛期はいつだ!

 あんたが命がけで戦った時はいつだ!

 俺は今だ!今なんだよ!

 今が命かけてもやらなきゃいけない時なんだよぉぉぉ!」ノアミ


『やったぜ!名言いただきました』オキト心の声


「しょうがないのう! なら受けさせちゃるよ」ハラタケ


次回ついに勇者テスト!

はたしてノアミは勇者になれるのか!

ガチンコ勇者クラブいったいどうなってしまうのか!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る