第13話 遊園地#2

他にも色々なアトラクションを乗って

閉園時間が近づいた頃


「宙空、今日は楽しかった!色々あったけど・・・」

「疑うわけじゃないけど宙空は私のこと好き?」


葵は言った

度重なるトラブルの結果、空を疑ってしまったのだろう


「もちろん好きだよ」


宙空は申し訳なさそうに言った


「ほんと?なら私にキスできる?」


葵は顔を真っ赤にしながら言った


「キ、キスって?」

「チュ、チューのことよ、チュー!」


葵の顔はもう爆発しそうなくらい真っ赤だ


「いやそうじゃなくて、今?ここで??」

「宙空はいやなの?」

「そういうわけじゃないけど」


宙空は考えた。もうキスしてもいい頃のなのか、

恋愛に関しては恥ずかしくて大和にすら相談していない

宙空は覚悟を決めた

今日は葵のためにいい思い出を作ってあげると決めていたから


「なんで黙ってるのなんかいいなさ・・・」


葵がそう言いかけている途中に宙空は葵にキスをした

宙空も葵も顔が真っ赤になっている


「いきなりなんてずるいよ・・・」


と嬉しそうに葵はいった

閉園のアナウンスが流れ


「いこっか!」


と満足げな表情で空の手を引っ張った


「おう」


二人は仲良く手を繋いで帰った


自分たちの最寄りの駅に着くと


「宙空くん、今日はありがとう!最高の記念日だった!」


と笑顔で言った


「こちらこそ」


とだけ言って二人は分かれた

宙空の中ではあのキスをしてしまったことで何か罪悪感のようなものが

あった

彼女なんだから、好きな人なんだから普通だよな、とか考えながら家についた


「ただいま」


そういうと俺はお土産をリビングにいた母さんに渡した

そして妹の部屋の前にきた


『柚月ちゃんにお土産買っててあげなよ』

『いいのか』

『私別に柚月ちゃんが嫌いなわけじゃないし、宙空くんと柚月ちゃんが仲直りして欲しくないわけでもない

私のこともっと見て欲しいだけ。』


そう言って、葵も一緒にお土産を選んでくれた



コンコンとドアを叩く


「なーに?」


ガチャとドアを開けると同時に柚月が言った


「俺だけど、今日遊園地行ったからお土産。葵が選んでくれた」

「そうなんだ、ありがと」

「お、おう」

「その・・・ありがとうって言っといて」


そう言って柚月はドアを閉めた

もちろん柚月は葵がいやだった

だからあんな態度をとった。

それなのに気にかけてくれると知って、悪い人ではないと薄々気づいていた。

でも苦手意識は消えないし直接会いたくはない

だから宙空にお礼を頼んだのだ

柚月の心の中は誰よりも複雑だった



「柚月、葵のこと嫌いなわけじゃないのかな」


宙空は自分の部屋に戻り一人でうれすそうに呟いた

宙空のこの考えがトラブルを引き起こす種になるとも知らず・・・


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俺が恋してなにが悪い! @9ro7ko

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