第12話 遊園地#1

遊園地についた二人は最初にジェットコースターを乗りに行った


「60分待ち・・・」


宙空はそう言った


「60分待ちなんて大したことないよ??」

「宙空くん遊園地きたことないの?」


葵はきょとんとした表情でいった


「遊園地なんて小さい頃行ったっきりだから・・・」

「そうなんだ!」


葵は嬉しそうに言った


「60分なんて話してたらあっという間だよ!」


葵に言われてこれまでの一年間のことについて話していたら

あっという間に60分がたった


「うわ!もうすぐじゃん!ちょっと緊張してきた」

「宙空くん怖いの?」


蒼はニヤニヤしながらいった


「そ、そんなことない!」

「ふーん」


そんなやりとりをしていると


「次の方どうぞ〜」


キャストさんに案内された


一番後ろの席だ


「良かった、後ろで前は怖いよ・・・」

「なに言ってんの宙空くん一番怖いのは後ろなんだよ?」


またしても葵はニヤニヤしている


「え、嘘」


ガタンッ


ジェットコースターが動き出した

どんどん上に登っていく


「え、高くない?!大丈夫?これ」

「何ビビってんの!男でしょシャキっとしなよ!」


ジェットコースターが一番上までのぼり

急降下した


「ぎゃあああああああ!!」


泣きそうな目をした宙空が叫んだ


「きゃーーー!」


葵は楽しそうに叫んでいた


ジェットコースターを乗り終えた宙空はすごく疲れた顔をしていた


「ジェットコースターってこんな怖かったっけ・・・」

「こんなのまだ甘い方だよ、もっとすごいジェットコースターあるんだから!」

「うっ・・・」


もうジェットコースターに乗りたくないと思ったけど

葵がすごく楽しそうにしてるからこれはこれでいいかなと思った

このあと地獄を味わうとは知らずに。


「次はこれ!」


80分待ちと書いてある


「さっきよりも長いね」

「うん!これは人気だし!さっきのは子供が乗るような感じのジェットコースターだしね!」

「えっ・・・」


あんな怖かったのに子供が乗るようなジェットコースター・・・?

最近の子供は肝が座ってるなあと思った

そして80分葵とたくさん話して

二個目のジェットコースターに乗る前まできた

また一番後ろだ


「ま、また後ろ・・・」

「もう宙空は怖がりだなあ」


ジェットコースターに乗って怖くて少し震えていると


ぎゅっ


と葵俺の手を握った


「大丈夫、私が隣にいるから」


この時の葵はとてもかっこよかった。

俺はすごくドキッとした

付き合ってから手を繋ぐこともあまりしなかったし

キスなんてまだしたこともない

高校生にしてはありえないのだろうけど

宙空にとっては初めての彼女でいつ何をすればいいのかわかっていなかった

普通の高校生だったらもうゴールインしててもいい頃だろう


「う、うん」


かっこいい葵を見つめていたら


ジェットコースターが急降下した


「あばばばばばばば」


変な声を上げて白目を向いた

意識が吹っ飛んだ

俺の意識が戻った頃にはジェットコースターは終わっていた


「あれ、終わった?」

「宙空くん気絶してたの?」


葵は今日一番くらいの大爆笑をしていた

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