第10話 未知数の後輩

俺が待ち合わせの門で待っていると一人の女の子

多分一個下の女の子が話しかけてきた


「せんぱ〜い、なにしてるんですかぁ?

暇なら私と遊びましょうよぉ」


変な口調で話しかけてきた。もちろん俺はこの子のことを知らない


「だ、だれ?」

「え〜覚えてないんですかぁ?有栖ですよぉ〜中井有栖!」


有栖という名前は聞いたことがある。確か中学生の時に僕に告白してきた暗い感じの女の子

でも外見も中身も全く違う。

メガネをしていたはずだしいつも三つ編みのいかにもインキャって感じの女の子だ


「君みたいな子は知り合いにいないんだけどな・・・」


俺は見覚えのない有栖という女の子にいった


「やだなぁ、先輩に告白したの忘れちゃったんですかぁ?

私先輩が好きすぎて同じ高校に来ちゃいました!」

「え?えええええ!!!」


俺は驚いて大きな声を出してしまった


「あ、そっか先輩は私がイメチェンしたの知らなかったんですね!」

「イメチェンどころじゃないだろ!別人じゃねえか!わかんねえよ!」


すると有栖は宙空の手を引っ張って


「さっ!いきましょっ先輩!」


と言った


「え、ちょ、ちょ待てって」

「なにしてるの?宙空くん。」


葵の声が聞こえてきた


「だれですか先輩このビッチ女」

「だ、だれがビッチですって?!」


大きな声で葵は言った


「で、先輩だれですか?この女」

「葵は俺の・・・彼女だ!」


俺は少し躊躇いながら言った

少し有栖が怖かった


「宙空くんから離れて!」

「先輩は私のものですぅ」


と有栖は言った


「宙空くんどういうこと?」


葵は少し怒り気味で聞いてきた


「ち、ちがう俺はなにも・・・

こいつが急に!」

「よくみたら同じ中学の先輩じゃないですか!

先輩はこんな地味子が好きなんですか??」


葵は宙空の手を引っ張り


「行くよ!!」


と走り出した

有栖はニコニコしていた

よく分からなくて怖い

そのまま駅へ着くと


「あの子なんなの??」


と葵が聞いてきた


「あれは、中学の時俺の告白してきた子だ

中井有栖って言って成績もトップの真面目だった子・・・」

「え?一個下の?全然ちがうじゃない。なんなのあの子!」

「分からない、でも俺を追って高校来たとか言ってた・・・」

「未練たらたらじゃない!」


葵は驚きながらも少しムスッとした表情で言った


「もうなんなのよ今日・・・一年記念日なのに宙空は柚月ちゃんのことばっかりでしかも変な女の子登場するし・・・」

「ごめん・・・」

「まあいいわ、せっかく遊園地行くんだし楽しみましょ!」

「そうだな!」


宙空はなにもわかっていない

宙空はただ楽しもうという気持ちに切り替えただけ

葵が複雑な心境にあるのも知らず。


「これだからド天然は・・・」


小さい声で葵は言ったが宙空には聞こえてない。


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