第4話  俺の気持ち



一時間目が始まり、俺はもう一年か〜と考えながら授業を受けていた

俺はなぜか葵のことではなく妹のことを考えていた

昔はあんなに慕ってくれていたのになあ。と可愛かった妹のことを考えていた


「如月!お前の番だぞ」

「おい!」


俺はぼーとしていた。なんであんなになってしまったのだろう

どの兄妹よりも仲が良かったのに。

そんなことを考えていると

パアーン!!と言う音と同時に俺の頭に激痛が走った。


「如月。授業中になにぼっーとしてんだ!」


俺の頭を教科書で先生が叩いたのだ


「すいません。でなんですか??」


俺はなにも聞いていなかったので先生に聞いた。


「お前が教科書を読む番だ」


そう言った。

俺はなにしてんだろう。とか考えながら言われた通りに教科書を読んだ


その後の授業もぼっーとしていてなにを受けていたのかも覚えていない

昼休みになって大和が話しかけてきた。


「お前どうしたんだよ。ずっとぼけーとしてなんか考えてたの?」

「いやなんでもないよ」


俺はシワを寄せ大和に言った。


「それなんでもなくない時のやつぅぅ」


ムカつく顔で言ってきた

今日はいつに増してうざったらしい


「もしかして柚月ちゃんのこと考えてた??」


図星を疲れた俺はキョトンとした表情をしていた


「さすがに一年も口聞いてもらえないとシスコンのお前にとっては辛いよなあ」

「だからちげえって!」


そんなわけがない。ただ仲がいいだけでシスコンなんかじゃない。

俺はそう思っている


「なに言ってんだよ、お前中学の時は自分の恋人の話してるみたいに柚月ちゃんのことずっと話してたじゃん」

「恋人のように・・・?」


俺は全くそんなつもりなかったし、大和に言われてものすごく驚いた。


「認めろ。お前はシスコンだ。」


百歩譲って俺がシスコンだとしよう。

でも恋人の話するようになんか話した覚えはない。

確かに俺は大和にいやってほど柚月の話をした。

恋人?いやそんなはずはないだろ。ただの妹だぞ。

いやあいつ馬鹿だし勘違いしたんだろうな


「いや断じて違う。」


俺は言い切った。ありえないからだ。

何せ俺には葵という大好きな彼女がいる。

妹なんかよりも大事な大事な。

妹と話さなくたって葵がいてくれればそれで良かった。


「むしろ嫌いなのかもしれない。」


大和にそう言い放った

大和はものすごく驚いた顔で


「は、え??」

「それはない。絶対」


と言い切った


「いやだってさ、葵があんなことされたんだぞ。」

「あいつなにもしてないのに。」

「今の俺にとっては葵が全てだ」


言ってから思ったが我ながら気持ち悪い。


「あはっはは!そうかそうか!気持ち悪いなお前!」


こいつは思いやりってやつは知らないのか?

まあそれがこいつのいいところでもあるが。


「うっさいわ!」


俺は言った。

きっとこの時には大和はもう気づいていたんだろうな

柚月が口を聞かなくなった理由が。

超天然の俺は全く気付かなかったが。

俺が柚月が口を聞いてくれない理由に気付くのはもう少し先の話だ。


「まあ考えすぎもよくねえから程々にな」

「おう」


そんな話をしていたら

チャイムが鳴ってしまった


「あ!昼食いそびれたじゃねえか!!」

「宙空!これかしだからな!」


話しかけてきたのは大和の方ではないか。

と思いながらも話を聞いてくれたのには感謝して


「へいへい」


と答えた


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