第5話 超天然の兄
学校が終わり放課後、俺は葵と帰る約束をしていた。
昼休み大和と話したことを思い出しながら俺はいつもの街亜w瀬場所の学校の門の前で待っていた。
少し複雑な気持ちだった。
俺はずっと妹のこと嫌いだと思ってたし葵だけいればいいと思ってた。
大和に言い放った
『葵が俺の全て』
という言葉に俺は違和感を感じていた
ほんとにそうなんだろうか
そんなことを考えていると
「宙空くん、宙空くんってば!」
葵が待ち合わせ場所に来たのだ
大好きな自分の彼女が来たのにも気づかないほど俺は大和の一言について考えていた
『もしかして柚月ちゃんのこと考えてた??』
俺ってほんとは妹のこと好きなのかな。
「あ、葵ごめん考え事してた。」
「宙空くんが考え事なんて珍しいね、なんかあったの?」
俺は少し迷った、葵といるのに妹の話なんかしていいのだろうか
明日で一年記念日なのに。
悩んでても仕方ないから俺は言った
「いや実は・・・」
葵は俺の言葉を遮るように
「柚月ちゃんのことでしょ」
俺はびっくりした。こいつはエスパーか?!
まさか葵の口から出てくるとは思わなかった
「え、なんでわかったの」
「なんかそんな気がした!朝も無理してるように見えたし!」
葵は言った
「俺ってさ、ずっとゆづきのこと嫌いだと思ってたんだけどさ、今日大和と話してて実はそんなことなことないんじゃないのかなって
思ったんだよね」
葵はとても驚いた顔で言った
「宙空くんってほんと天然なのね。自分の気持ちにも気付いてないのね、
宙空くん柚月ちゃんのこと大好きじゃない」
まさか葵に言われるとは思わなかった。
「私なんとなくだけど、宙空くんが口聞いてもらえない理由も、私が嫌われてる理由もわかってる」
俺は目を細めていった
「流石にそれは冗談だよね??」
「ほんとよ。超天然の中空くんは一生気づかないだろうけどね!!」
まじか、俺は混乱しまくっていた
え、もしかして気付いてないの俺だけ??
「教えてくれよ!」
「いやだ」
まさかいやと言われるとは思わなかった。
「なんでだよ!教えてくれてもいいじゃないか!」
「だめだよ。自分で気づくまでなにも教えてあげない。」
葵は小声で
「私が不利になっちゃうじゃない・・・」
と言った
「え?なに!?聞こえなかったよ」
「なんでもない気にしないで!」
俺は不満そうな顔で
「うううううう」
とうなりをあげた
「あ、そういえば明日どこ行く??」
蒼は露骨に話題を変えた
「そうだよなあ、遊園地でも行く?」
俺は話題を変えられたことに何の違和感も感じてない
超天然とはこのことだろう
「いいね!じゃあまた明日!!」
いつの間にか葵の家の前についていた
「うんまた明日ね!」
やっぱりいつみても葵の笑顔は可愛い
明日が楽しみだ。
何か忘れてるような気がするけど・・・
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