4、まぽりん伯爵の次回予告


 ツー、エーエム!

 全国の豚ども、ケツを差し出すのじゃー!


 こちら運命タロットを司る悪魔が送る深夜のレディオ。


 まぽりん伯爵のミッドナイトチャンネル!


 ねるー、ねるー、ねるー…………(エコー)


 今日も魔界中のリスナーから、山のようなお便りが届いておるぞう。いちまい、にーまい、さんまいっと。


 少ない!

 それでは!


 夜の闇の中で悩ましき思いを抱えるリスナーたちに、わしが一縷いちるの希望を垂らしてやろう。

 最初の豚野郎はラジオネーム、深夜の陰男くん!


『夢の話ですが、聞いてください。

 今日、人と一緒にお昼ご飯を食べました。

 高校生活で初めてです。

 しかも異性です。

 更に正直に言うと、そこそこタイプです。

 すごくリアルな夢で、また見られるんじゃないかなと思っています。

 そこで相手のことをもっと知りたいのですが、良い話の盛り上げ方はないでしょうか。

 繰り返しますが、これは夢の話です』


 うぅむ。これはこれは。

 夢の話と前置きがあるが、どことなく気恥ずかしさと、思春期の青さを感じるなぁ。青年期など二万年前に終わってしまったわしじゃが、読んでいてむずがゆくなってくるぞ。


 わしの青春はなぁ……。

 ……今、思い出しても腹が立つ。

 ……グゥ……貸したCDどうなったんだろか。

 ……いや、わしの話はやめておこう。

 よし、陰男くん! 貴様の悩みは確かにこの運命タロットに刻まれておる。


 なすべきこと。

 進むべき道。

 信じるべき未来。

 全てはこの手の中にある!

 さぁ、指し示せ!


 (派手な効果音)


 ……ようし、出てきたぞ出てきたぞ。


 タロットカードはパンダじゃ!


 これが意味することはつまり、相手のことについて知る、じゃ!


 ……なに、無難すぎる?

 くっくっくっ。甘いのう。若いのう。青いのう。

 くどくど回り道をするより、正面から進むのが男としての王道じゃ。

 つまり相手の好きなものを知る! それこそが運命タロットが指し示す未来じゃ。


 頑張れ!


 さすれば、間違いなく二人の仲は、急接近!


 てな訳で!


 シーエームの後はドキドキ生電話コーナーじゃー。


 じゃ、じゃ、じゃ……(エコー)

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